薬の多剤併用により生じる有害事象について薬剤師による解説、第45回船橋市立医療センター公開医療講座
10/14(金)薬の多剤併用により生じる有害事象について薬剤師による解説
第45回船橋市立医療センター公開医療講座
市民文化創造館きららホール(船橋市本町1-3-1船橋FACE6階、TEL 047-423-7261)で10月13日、船橋市立医療センター薬剤局局長の大竹満博さんを講師とする医療講座「おくすりのはなし〜お薬の基礎とポリファーマシー〜」が開催された。
同講座は船橋市立医療センターが年4回実施している公開講座の1つとして開催されたもの。今回が本年度2回目の講座となり、身近な存在の薬について正しい理解を広めることを目的として実施された。この日は中高年層を中心に約30人が受講した。
講座は「お薬の基礎」「薬の飲み方について」「薬を服用するときの注意」「薬の副作用」「薬の相互作用」「ポリファーマシーについて」の6つのパートに分けて説明が行われ、説明文とともに表やイラストを交えた資料を投影しながら進行された。
前半は薬の基礎知識を改めて振り返ることを主眼とし、薬はタンパク質と結びついて作用することや、飲んだ薬は小腸から吸収されて肝臓で分解・代謝されることなどが説明された。
また、飲み薬は原則としてコップ1杯の水かぬるま湯で飲むことや、薬をアルミシートに包装されたまま1錠ずつカットして保管するのは避けることなど、薬の正しい扱い方に関する呼びかけも行われた。それぞれ理由の解説もあり、実際に医療センターに腹痛を訴えて運び込まれた患者の体内から無意識にアルミシートごと飲み込んでしまった薬が見つかったケースがある、という実際の事故事例も添えられた。
後半は薬の危険性を中心として説明が進められた。特に注意が必要であると紹介されたのが多くの薬を服用することにより副作用などの有害事象が起こる「ポリファーマシー」で、6種類以上の薬を併用するとポリファーマシーの発生率が急激に上がることがデータを交えて紹介された。
さらにポリファーマシーを予防するため、医師や薬剤師に現在飲んでいる薬を全て伝えること、そのためにはお薬手帳を1冊にまとめることが重要であることが説明された。
最後に設けられたQ&Aコーナーでは会場から質問を募り、「サプリメントと薬を併用する場合の注意点を教えてほしい」という質問に対して「サプリメントを服用していることを担当医師はもちろん、看護師など周囲の医療スタッフにも知らせておくことが大事」という回答や、「かかりつけ薬局を1つに絞りたいが、複数の病院に通っていると近所の薬局に遠方の病院の薬が無いケースも生じるのでは」という質問に対して「処方箋に記載の薬がその場で用意できなかった場合には自宅まで配達してくれる薬局もある」という回答など、参加者の日頃の疑問や困りごとに関する具体的なやり取りがされた。
次回講座は2023年1月26日に開催予定。講師やテーマなどの詳細が決まり次第、「広報ふなばし」や医療センターホームページで告知が行われる。