ALS患者と家族が集えるイベントを市内在住のALS患者らが開催、難病患者交流会「icotto(いこっと)」の企画で
11/3(木)ALS患者と家族が集えるイベントを市内在住のALS患者らが開催
難病患者交流会「icotto(いこっと)」の企画で
船橋市内某所で10月29日、ALS患者とその家族、支援者を対象としたゲーム大会が開催され、約40人が参加した。
同イベントの主催は「難病・障がい者のパパ&ママの交流会」を開催する「icotto(いこっと)」。難病患者のコミュニケーションをサポートし、難病の啓発と生活の質の向上を目指した活動を行っている団体で、地域を問わず、登録者は全国から集まり、その数は現在約170人となる。
同会の主宰は、船橋在住の前田理恵さんと丸山明子さん。前田さんと丸山さんは筋萎縮性側索硬化症(以下「ALS」)という難病患者であり、2人は保健所の紹介で出会った。その後、「難病カフェ」というものが全国各地にあることを知ったが、近くにはなかったことから2019年、2人で同団体を立ち上げた。
難病と闘う患者と家族が「気軽に話をして心が明るくなる場があったらいいな」という想いから、名前の由来も「気軽に行こっと」というイメージからつけたという。「誰もが気軽に参加して、質問をしたり、答えたり。たわいもないおしゃべりに花を咲かせてもらいたい」という思いが込められている。
これまで同会では子育ての不安や悩みをテーマにした情報交換の集いが開催されてきたが、今回のイベントは「パパママ会」の特別イベントとして開催。現在子育て中の丸山さんが自身の療養生活での経験から、「子育て中の難病患者とその家族や支援者が垣根なく楽しめる会を開催したい」と企画し、当日は丸山さん宅のご近所さん、関係者ら約40人が参加した。
同イベントでは、視線入力装置を使うことで手足が動かない難病患者もカーレースゲームに参加できるものを取り入れた。それを見た子どもは「手足が動かなくてもゲームができるなんてすごい。なんでもできる」と話した。ゲーム大会がメインとなり、景品なども用意され、表彰式を含めて約2時間30分の時間を、子どもも大人もにぎやかに過ごした。
「コロナ禍で、外出することにも気を遣う難病患者は、とても孤独なんです。icottoには、患者だけでなく家族やボランティア、介護や看護職など、関係する方が、日頃の悩みや疑問、不安などを打ち明けたりできるように年齢・性別を問わず参加できます。闘病・介護での孤独を解消し、楽になってほしいと思っています」と前田さん。
現在「icotto」では、生活に必要な情報提供を行っているほか、自由におしゃべりをして不安や悩みを共有できる会員だけのフリーチャットも運営する。
また先のイベントも企画済みで「ALS患者と介護福祉士の音楽ユニットである『たか&ゆうき』さんに出演してもらってのオンライン忘年会を12月に企画中です。暖かくなって、条件が整えば、難病患者とその家族でお出かけもしたいと考えています。病気の辛さ、不安を一人で抱え込まないで、みんなで楽しい時間を過ごしましょう」と前田さんは続けた。