中山法華経寺で「酉の市」、荘厳な読経に包まれ開運・商売繁盛を祈る
11/30(水)中山法華経寺で「酉の市」
荘厳な読経に包まれ開運・商売繁盛を祈る
中山法華経寺(市川市中山2-10-1)で11月28日、毎年恒例となっている酉の市の「三の酉」が行われた。
酉の市は十二支の酉の日に開催され、中山法華経寺では例年11月に行っている。妙見菩薩への感謝を込めて1日5回の祈祷(きとう)を行う。今年は11月4日、16日、28日がその日にあたり、檀家や地元の人たちが集まり、健康や家内安全、商売繁盛を祈った。
僧侶たちの読経の声は大きく、時に木剣(ぼっけん)や太鼓を打ち鳴らし、その迫力のある響きが境内いっぱいに広がっていた。木剣とは、木と数珠で作られた法具で「中山法華経寺の荒行に耐えたお坊さんだけが持つことを許される、中山ならではの尊い響きなんです」と法華経寺振興協賛会の関係者は話す。
祈祷が行われた妙見堂のそばには、振興協賛会による無料の甘酒接待処が開かれ、温かい甘酒に参拝者が喜ぶ様子が見られた。一の酉、二の酉では1日に200~300杯の甘酒をふるまったという。
同寺の僧侶は「現在放映中のドラマ『鎌倉殿の13人』で源頼朝を助けたのが千葉常胤ですが、その子孫が法華経寺の住持(主僧)となり千葉氏を守護していた妙見菩薩を祀るようになったといわれています」と妙見菩薩との縁について話した。
熊手は「福や運をかき集める」という意味から縁起物として求められ、「酉の市」では熊手を売る露店が立ち並ぶ。同寺での熊手販売所は2カ所あり、1つは妙見堂の前で、僧侶自らが装飾のない小さな熊手や「火防(ひぶせ)」のお守りを販売する。「三の酉」がある年は「火事が多い」という言い伝えがあり、防火のお守りを授かる人が多いという。
もう1店は、中山睦(むつみ)会の熊手商が扱う装飾が施された熊手を売る露店。平熊手と呼ばれる小さなものから青熊手、小判山熊手など多くの種類を扱う。同店の代表は「ここの熊手商は私が始めるずっと前から、50年ほど続く由緒あるもの。朝一番の読経が終わった後、お上人の方々が店の前に並んでご祈祷してくださっています。中山の熊手商は、派手さはありませんが、ありがたみのあるものなんですよ」と話した。
熊手を買った人がご祝儀をはずむと、露店商の店員総出で手締めの手拍子を打ち、活気にあふれていた。