東部地区公民館で「ゴジラ」の特撮技術を体験する講座、三池敏夫さんを招いて東部地区の5公民館で共同主催
12/20(火)東部地区公民館で「ゴジラ」の特撮技術を体験する講座
三池敏夫さんを招いて東部地区の5公民館で共同主催
船橋市東部公民館(船橋市前原西2-21-21)で12月18日、「特撮体験、綿で雲海をつくってみよう!」と題するイベントが開催された。
同イベントは、東部地区の5つの公民館が行う合同事業。今年度は「ゴジラ」や「ウルトラマン」などの特撮美術に携わってきた三池敏夫さんの指導のもと、参加者自らの手で空と雲を作るという体験講座を開催した。午前と午後それぞれ40人の定員で事前抽選に当選した参加者が特撮体験を楽しんだ。
講座は、参加者が20卓のテーブルに分かれ、一塊の綿を小さくちぎって丸めるところから始まった。並行して、壁に貼られた大きな青い紙に白いチョークを塗る作業を行った。青い紙の前にテーブルを集めて綿を広げると、雲が広がり、その向こうに青空が見えるという形になる。その上にジェット機の模型を吊るしてカメラを向けると、雲海の上を飛ぶ飛行機がスクリーンに浮かび上がった。
スクリーンに映された映像を見た参加者からは「うわーっ」と歓声が上がった。照明やレフ板を配置するとさらにリアルさが増し、最後に室内を暗くしてオレンジの照明に変えると、映像は幻想的な夕陽の景色へと変わった。
同イベントには、子どもたちに加え、幅広い年齢層が集まった。中学1年生の佐藤楓道さんは「『仮面ライダー』が好きで特撮の話を聞きたかった。綿やチョークを使うというのでどんな風になるのかと思っていましたが、作った雲を撮影してみると想像以上にリアルで驚きました。三池先生の指示している姿も撮影現場の雰囲気が感じられて楽しかった」と話した。
80代の男性は「私らは円谷監督の作品を観てきたので、CGより特撮のほうがいいですね。すべてが初めてで面白く、来た甲斐がありました。ビデオカメラで撮影するときの参考にしたい」と話した。
東部公民館の金子恭將館長は「5館合同事業はふだん公民館を利用しない人たちにも関心を持ってもらうことが目的の一つで、今日も初めての人たちが来てくれました。楽しみながら新しい発見をしていただければうれしい」と話した。
最後の質問コーナーでは、「『ウルトラマン』のスペシウム光線はどうやって出すのか」「せっかく作った街のセットを怪獣に壊されるのって嫌じゃないですか」など積極的なやり取りが続いた。
講座を終えて三池さんは「こういう特撮の現場は減っており、10年ほど前に『ATAC』(アニメ特撮アーカイブ機構)を立ち上げ、特撮の技術やミニチュアの造形物を保存する取り組みを始めました。その活動の一環として一般の人たち向けにワークショップを行っています。今日は特撮の魅力がうまく伝わったんじゃないかな」と話した。