三番瀬海浜公園近くで廃ペットボトルを活用した道路修繕、関東地方の自治体では初の取り組み
2/3(金)三番瀬海浜公園近くで廃ペットボトルを活用した道路修繕
関東地方の自治体では初の取り組み
船橋市は1月30日、「ふなばし三番瀬海浜公園」(船橋市潮見町40)近くの市道で、廃棄されるペットボトルを活用した道路修繕工事を始めた。
市道路維持課の主任技師・小久保翔太さんは「潮見町地区は工場や倉庫が多く、頻繁に大型車が通行するため、短期間で道路が傷んでいた。対策を検討している中で、廃ペットボトルを道路修繕に利用することで耐久性がアップし、さらに市が取り組みを強化している環境問題にも対応できることが分かり、試験施工することを決めた」と経緯を話す。
国内で回収されるペットボトルは8割以上がリサイクルされているが、一部は再利用できないまま埋め立てられるなどしている。その廃ペットボトルを処理・活用する技術を「花王」が開発し、今回の工事にも同社の「ニュートラック5500」が使用されている。この改質剤を通常のアスファルトに配合することで「通常の5倍の耐久性が保たれる」という。この工法での道路修繕は、関東地方の自治体では初めてだという。
工事を担当する「高根建設」(高根台4-26-7)の石神宇貴(たかき)さんは「傷んだ道路を10センチ削って、通常のアスファルトを敷き、その上に添加剤配合のアスファルトを5センチの厚さで敷いて打ち固めている。今回の工事では施工区間324メートルを2日に分けて敷設する」と説明する。
この廃ペットボトルの活用方法は、2022年に「レジリエンスジャパン推進協議会」が実施する「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化大賞)2022」で準グランプリ・金賞を受賞するなど注目を集め、海外展開の計画も進められている。
小久保さんは「このあたりの道路では約3年でわだち掘れやひび割れが起こる。それを超える5年ほどの期間で耐久性を検証して効果が確認できれば、大型車の通行の多い他の道路にも活用していきたい」と期待を込める。