船橋中央病院が初の公開医療講座、院内メンバーで結成された「骨粗鬆症リエゾン委員会」が実施
7/4(火)船橋中央病院が初の公開医療講座
院内メンバーで結成された「骨粗鬆症リエゾン委員会」が実施
船橋中央病院(船橋市海神6-13-10、TEL047-433-2111)が6月29日、同院では初となる公開医療講座を実施し、海神公民館第1・2集会室に約60人の参加者が集まった。
同院は1949(昭和24)年に「社会保険病院」として開院、2014(平成26)年に独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO。ジェイコ)に移行し、現在登録ベッド数は399床、18の診療科があり、船橋市の地域中核病院となっている。
2018(平成30)年4月から、同院では「骨粗鬆(しょう)症リエゾンサービス」の提供を開始。同サービスは、大腿骨近位部骨折(股関節の骨折)と脊椎椎体骨折(背骨の骨折)で入院した患者を対象に、骨粗鬆症マネージャーを中心にして医師及び多職種のメディカルスタッフが、連携しながら包括的に骨粗鬆症の予防と改善および骨折防止を目的とした取り組みとなる。
そのチームは同院では「骨粗鬆症リエゾン委員会」と呼ばれ、同委員会メンバーが市内の開業医などに向け、同委員会発足以降、骨粗鬆症の予防や治療についての講演会などを実施してきたが、今回、初めて一般市民向けに公開講座を行うこととしたという。
講座のタイトルは「骨の健康生活はじめませんか」。当初は定員30人としてたが、実際には約60人が参加。講師は、同委員会から整形外科・山下正臣医師、歯科口腔外科・鈴木理絵医師のほか、理学療法士2人が登壇。
はじめに「骨粗鬆症を予防して歯を守ろう」という話があり、続いて理学療法士らによる「コツコツ体操教室」を実施。参加者も一緒に体を動かし、最後に山下医師から「骨粗鬆症 骨が脆いだけではないですよ」と題した30分ほどの説明があった。
山下医師からは、骨粗鬆症の患者数は全国で1300万人いることや骨粗鬆症にかかると骨折の連鎖が起きる可能性があること、骨折により身体的障がいだけでなく、心理的障がい(うつ病など)もきたすため早急な対策が必要であり、治療、薬の処方などが受けられることが説明された。
本人が気がつかないうちに骨折している「いつの間にか骨折」と呼ぶケースもあると説明があり、折れる前から、食事・運動・環境に気をつける生活が大切であることも話された。
「最近では骨卒中(こつそっちゅう)という言葉があるくらい。脆弱性骨折は、脳卒中と同様に突然起き、起きてしまうと骨折前の状態に回復するのは難しい」という説明があった。「骨粗鬆症になるということは人生の危機であり、平たく言うと、死につながるということです」とも説明があり、参加者は熱心に話を聞いていた。
講演会を終え、山下医師は「今日ここにいらしていた方たちは、意識が高い方たち。しかし実際には骨粗鬆症の治療が必要な人のうちの7割が治療に来ないという現状がある。骨粗鬆症という病気を知り、骨折を予防することを多くの人に心がけてもらえたらと思っています。今後も市民の方に向けてアプローチしていきます」と話した。