西船での交通事故で心肺停止の男性を一般人4人が人命救助、船橋市北消防署が感謝状を贈呈
12/11(土)西船の交通事故で心肺停止の男性を一般人4人が人命救助
船橋市北消防署が感謝状を贈呈
今年5月に西船6丁目の路上で起きた交通事故で、4人の市民が連携して人命救助を行ったことに対し、船橋市北消防署(船橋市馬込町902-2)で12月8日、4人に「消防協力表彰」が贈られた。
今年5月22日18時24分頃、西船6丁目の路上で男性(65)が乗用車に乗り赤信号で停車中に心肺停止に陥った。男性はアクセルを踏み続け、ガードレールに衝突。その場に偶然居合わせた面識のない4人が、迅速かつ的確に119番通報し、救急車が到着するまでの8分間、連携して救命処置を行った結果、尊い命を救い、男性は社会復帰するまでに至った。この功績に対し、「消防協力表彰」が贈られた。
この日、感謝状を受け取ったのは専門学校生の天野愛梨さん(21、市川市在住)と「おおぞら保育園」(鎌ケ谷市)園長の廣部信隆さん(57、船橋市在住)。天野さんは「自転車で帰宅途中、後ろで衝撃音が聞こえ、焦げた臭いがしたので振り返るとガードレールに乗用車がぶつかり、後輪が激しく回転して煙と火花が上がっていたのでとっさに119番に通報した」と振り返る。廣部さんは、車を運転中、赤信号で停まっていたところ事故に出くわし、自分の車を安全な場所に移動させてから救助に加わったという。
他に救命に加わったのは看護師の及川郁弥さん(27、千葉市在住)と沼田ゆき江さん(42、船橋市在住)。この日の贈呈式は、2人は仕事の都合により欠席だった。
事故が起きた当初、事故車の煙が収まりかけてから廣部さんと及川さんの男性2人が、意識を失い呼吸の止まっている男性を事故車から救出、安全な場所へ運んだ。「頭部を打っているかもしれないので頸椎を押さえながら救出した」と廣部さん。
廣部さんと及川さんはすぐに胸部圧迫を交代で行い、他の2人も近くのコンビニエンスストアから借りたAEDで救命処置を行った。事故現場は北消防署の管轄であるが、現場近くを走行中の同署の救急車がかけつけ、男性を市内の病院へ搬送した。
「男性は入院後、集中治療室で治療を続け、4日後には回復し6日後には退院した。生死の狭間にあった方が、皆様の迅速で冷静かつ適切な救命処置で一命をとりとめ、以前と変わらない生活を送れるまでに至った」と北消防署長・藤代朗一さんは話した。
また「今回のような場合、AEDを使わなければ心臓を正常な動きに戻すのはまず不可能と言われている。AEDを使う方がいたからこそ救命できた。今回現場に居合わせた4名の方がそれぞれの役割を担い、理想的な救命だった」と4人に対して感謝の言葉を贈った。
廣部さんは「事故後、男性がどうなったか心配で頭から離れなかった。無事を聞き、本当にうれしかった」と話した。「若い頃人命救助に加わった経験があり、職場では人命救助の訓練を定期的に受け、園児の体調急変に日頃から対応している。今後もこのような場面に遭遇したら、積極的に救助に関わりたい」とも。
天野さんは「人命救助をしたのは初めてだが、学校でAEDの操作は習っていたし、AEDが操作方法をアナウンスしてくれるのでわかりやすかった。男性が無事で表彰状をいただいたのはうれしい」と笑顔がこぼれた。