若手スタッフのキャリア開発目的とした地域異業種交流会「Fun a bridge」、「日本一元気な船橋」実現に向け
12/14(火)若手スタッフのキャリア開発目的とした地域異業種交流会「Fun a bridge」
「日本一元気な船橋」実現に向けグループワークも
船橋市内に事業所を置く大手企業から20~30代の若手スタッフを集め、キャリア開発を目的として開催された地域異業種交流会「Fun a bridge」が12月8日、船橋商工会議所(船橋市本町1-10-10)6階講堂で行われた。
この日参加したのは船橋市、船橋商工会議所、船橋市観光協会に加え、イケアジャパンIKEA TOKYO BAY、千葉ジェッツふなばし、東武百貨店船橋店、JTB、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、京葉ガス船橋支社、東京電力パワーグリッド、三井不動産商業マネジメントららぽーとTOKYO-BAY、東日本電信電話(NTT東日本)などの12団体から24人。
それぞれの組織から有望な若手が2~3人ずつ参加。業界・業種の異なる事業者・団体で「日本一元気な船橋」を実現させるために新たな戦略プランを自由な発想で立案、発表するという目的で開催された。
交流会冒頭に松戸徹市長が登壇。「皆さんが海外に赴任されるときその国を徹底的に調べますよね。国内で異動する場合はその地域のことをよく知らない方も多いと思います」と前置き、午後からのグループワークに活用すべく船橋市の基本的な情報を盛り込んだプレゼンテーションを行った。以下、プレゼンテーションの内容から抜粋。
松戸市長の基調講演抜粋
・人口64万人を超える人口規模は政令指定都市を除いて現在のところ日本一
・昭和35年、前原団地が完成して以来毎年2万人ずつ人口が拡大
・市内には35駅9路線。全国トップクラスの鉄道網
・1600を超えるJRの駅中、乗降客数で西船橋駅(16位)・船橋駅(17位)とトップクラス
・昭和58年、「スポーツ健康都市宣言」。「市船野球部を甲子園に送ろう」というスローガンのもと市立船橋高校に体育科創設
・その結果、高齢者の身体能力衰えが少ない街として全国でもトップクラス
・東関東自動車道や京葉道路などのインターがあること
・圏央道・首都高・北千葉道路など周辺道路とのアクセスが良いこと
・交通の利便性から物流拠点としても各界から大きく注目をされている
【南船橋エリアの開発について】
・船橋競馬場のリニューアル
・三井ロジスティックパークの開設
・千葉ジェッツふなばしの専用アリーナ
・12年ぶりにアイススケートリンク「船橋アイスアリーナ」開設
・駅前にマンションや高齢者施設、商業施設などの開設が進んでいる
【米ヶ崎エリアの開発について】
・医療センターの移転
・新駅の誘致
【意外と知られていない船橋】
・日本最初のドクターカー
・スクールカウンセラーは全小中学校に配置
・令和2年からスクールロイヤーも配置
・プロの指揮者を5人輩出
・小出義雄監督(陸上)が昭和58年~63年に市船勤務
・Jリーガー輩出出身高校で日本一
【令和3年度の小中学校スクールバンドの活躍】
・法田中学校吹奏楽部:全日本マーチングコンテスト
・八木が谷中学校ギター部:全日本コンクール特別金賞
・船橋中学校管弦楽部:日本合奏コンテスト2021グランドコンテスト千葉県教育長賞
・宮本小学校管弦楽クラブ:グランドコンテスト文部科学大臣賞
・峰台小学校音楽部:日本合奏コンテスト2021グランドコンテスト金賞白河市長賞
などのほか、市立船橋高校吹奏楽部の実話をもとにした小説「20歳のソウル」が映画化
【最近の動き】
・ゼロカーボンシティへの取り組み
・海洋プラスチック対策日大生産工学部と連携
・バイオガスの生成と発電
・フードドライブの実施支援
・ビックデータを活用した道路問題解決
・自治体DXの推進とデジタルデバイド対策
【自治体DX推進計画の重点取組事項】
・自治体の情報システムの標準化・共通化
・マイナンバーカードの普及促進
・自治体の行政手続きオンライン化
・自治体のAI・RPAの利用促進
・テレワークの推進
・セキュリティ対策の徹底
・地域社会のデジタル化
・デジタルデバイド対策(公民館でスマホコンシェルジュ事業を実施)
など、膨大なボリュームをスライドで紹介。最後に「市長として一番思う事」として「新しいものは見極めて導入すべし『不易流行』新技術は使いこなす事で次が始まる」と基本のスタンスを述べ、「生活者は市民。希薄な人と人とのつながりをどう再構築するか。本当の意味の持続可能な社会のべース」と具体的な指針を紹介。
最後に参加者らに「現場である船橋を知って、住んでいる街を知ってほしい。人を知りつながることが社会の為にも自信の為にも必ず大きな財産になる」と基調講演を結んだ。
グループワークA~Dグループのプラン発表
午後からはグループワークで市長の話を元に、それぞれの所属団体及びネット検索などを通じて得た情報から船橋市の10年先を見据えた戦略プランを策定。プログラムの最後にそれぞれのチームが発表を行った。
グループA「乾杯は小松菜ハイボールで」
「最優秀賞を受賞してみんなで小松菜ハイボールで乾杯しよう」を掲げグループ名を決定したというグループA。「子どもからお年寄りまでが住み続けたい街」をコンセプトに2033年をピークに人口減が予想されている船橋の課題を「北部と南部の人口差」と見据え、北部エリアでのSDGs対応のスマートシティ構想をプレゼン。
再生エネルギー100パーセントの都市には、防災時には避難場所になる公園を設置。マルシェなどで住民間の交流を目指していくという。また、公園には野菜ポストを設置、子ども食堂などと連携してフードロス削減につなげていくという。
グループB「ふなばしリングス」
「企業と人とでつながろう」をコンセプトに企画を練ったというBグループ。「人と人と、企業と企業のつながりが弱く連携がとれていない」と現状を分析。
安心して繋がりあえる、助け合えるために情報を集約し、全世代が輝ける船橋を目指して全市を横断するアプリ「あなたのそばにFUNA Land」の開発を提案した。子育て世代を情報の中心に設定し、市役所(行政)、学生、高齢者、企業がプラットフォーム上に集約できるものを目指していくという。
グループC「あつまれフナモーレ」
「人が集まる元気な街づくり」を掲げ「ONE FUNABASHI」を目標に企画を練ったというCグループ。南部地域が平均99万円の坪単価に対して、北部地域のそれが29万円。「にぎわいと坪単価が比例するのではないか」と、仮説を立て博物館融合のホテル建設を提案。
千葉ジェッツふなばしルームやふなっしールームなどのキラーコンテンツに加え、地産地消をテーマにホウレンソウなどの野菜を食べるレストランスペース設置や、自動運転の整備などで時間帯や交通量によって値が変わる「ロードプライシング」導入。エリア内での共通ポイントを発行し回遊性を持たせることで北部と南部を一つにする「ONE FUNABASHI」実現を目指すというもの。
グループD「FBS(フナバシサイコー)」
「誰もが暮らしやすい船橋」を掲げ、「友達の数日本一」を目標に「市民同士が繋がれて、市民同士が助け合う街を実現する」という。「孤独な人がいないこと」は「孤独死がない事」とし、孤独な人は友人家族がいる人と比べて幸福度が下がること、コロナ禍でコミュニケーション不足が気になっている事などを課題として捉え発案。
船橋市公認アプリを作り「趣味や好きなもので繋がれる」機能、「イベントに参加できる」機能を通じて市内商店街などで使える共通ポイントを流通させるアプリ導入をプレゼンテーションした。
すべてのプレゼンテーションが終了し松戸市長から最優秀グループと各グループ内のMVP発表が行われた。最優秀グループは、「グループA」と決定。「いずれのプレゼンも突飛なものがなく、本当に船橋の事を考えてくれているからだと感じた。アプリ開発を2グループ、南北差について2グループが挙げてくれた。新しい角度での付加価値のつけ方などはとても参考になった」と松戸市長の講評で交流会を結んだ。