「第45回船橋市写真展」開催、5年ぶりにプロ写真家による入賞作品解説会も
2/27(火)「第45回船橋市写真展」表彰式
5年ぶりにプロ写真家による入賞作品解説会も
船橋市民ギャラリー(船橋市本町2-1-1船橋スクエア21ビル3階)で「第45回船橋市写真展」が2月17日~25日で開催され、最終日には表彰式が行われた。
同展は船橋市教育委員会と船橋市写真連盟による共催で、1979(昭和54)年から始まった歴史ある写真展。同展は全国公募となっており、プロアマ、年齢、撮影年など問わず、題材は自由。写真集も含めて398点の応募があった。
応募作品は全て展示するという写真展で、応募者の年齢は2~93歳までと幅広かったという。市役所職員として第1回目から同展に関わり、1983(昭和58)年には船橋市写真連盟の立ち上げにも尽力した神保君雄さんは「同写真展は全国に船橋市をPRする意図があった。誰でも応募できて写真集も展示するのは全国でも稀である」と話した。
審査員はプロ写真家・北井一夫さんと中里和人(かつひと)さん。北井さんは船橋に長く暮らし、日本を代表するドキュメンタリー写真家で、第1回目から審査員を務めている。
表彰式の冒頭に中里さんは「船橋は『写真の町』。市民が主体となり写真への情熱の積み重ねがある」と挨拶した。
表彰式では「モノクロ単写真」「カラー単写真」「組み写真」の3部門には最優秀賞、優秀賞、奨励賞、「写真集」部門には北井一夫賞、優秀賞、奨励賞が、全部門から「写真連盟賞」が送られ、合計40人が表彰された。
最優秀賞には德永秀明さんの「おかつ」(「モノクロ単写真の部」)、タカシゲ シュウイチさんの「街角ニ咲ク花」(「カラー単写真の部」)、藤田健治さんの「現在地」と松澤一さんの「私と部屋」(ともに「組み写真の部」)、北井一夫賞に奥村雅紀さんの「いったりきたりかめ」と中村洋代さんの「楽園のひととき」が受賞した。
2歳の越川史乃さんは家族を撮った「みんなのそばが好き」(「組み写真の部」)で奨励賞を受賞。「作品説明会」で自分の写真を説明する場面で言葉が出ない越川さんに中里さんは「史乃さんは目で見ていて写真の言葉使いを感じる。言葉でなく写真で語っている。それが写真の原点」とにこやかに話した。
作品の中にはスマホや使い捨てカメラで撮ったものもあり、日常を見つめた写真が多く見られた。中には放置された農業用ハウスを写真集にまとめ、社会問題をとりあげた作品なども見られた。
昔撮った都電の写真をまとめた写真集「下町に都電が走っていた頃」(「写真連盟賞」)の内田良一さんは「フィルムからデジタルに変わり、写真が嫌になってやめようと最後の記念に10年以上前に作った」と説明した。北井さんは「デジタル化で写真が嫌になった人が多いが、他の人も目をさましてくれるといい」と話し、中里さんは「記録性もあり表現性のある写真が世の中にはたくさん埋もれている。日本の写真文化に光をあてて未来にバトンしていけたら。来年は『アーカイブス賞』を設ける予定」と力強く話し、拍手で写真展は幕を閉じた。
船橋市写真展のホームページ(https://www.f-bunspo.or.jp/gallery/)では入賞作品を2月26日から3月31日まで公開する(スライド形式)。掲載希望作品は28日から公開予定。