高根小学校で全校児童が田植え体験、地域農家の協力を得て40年目を迎える伝統行事
5/12(日)高根小学校で全校児童が田植え体験
地域農家の協力を得て40年目を迎える伝統行事
高根小学校(船橋市高根町2895)の全校児童約200人が5月10日、恒例行事となっている米作り体験の「田植え」を学校近くの田んぼで実施した。
今年で創立140周年を迎える同校は、周辺で米作りをはじめ、ニンジン、カブなどの野菜作りが盛んに行われる自然豊かな環境に位置している。
毎年地域の農家の協力のもと、米作り体験を行っており、今年で40年目を迎える。児童はこの活動を通じて、米作りの苦労や収穫の喜びを味わうことで、米作りに興味関心を持ち、米作りと自分の生活や人々との関わりについて学ぶ。
使用する苗は千葉県の新品種「粒すけ」。苗は同校の5年生37人が事前に種から育てた。今年は日当たりが良すぎて苗が葉焼けを起こすというアクシデントがあったが、周辺農家に苗を譲ってもらって全校生徒分をそろえた。田んぼの畦作りは5〜6年生が合同で行った。
児童たちは1年生と6年生、2年生と4年生、3年生と5年生と3つのグループに分かれて、10アールの田んぼに苗を植えた。1年生は見学、6年生は手植えと機械植え、その他のグループは手植えを体験した。植えた稲は児童が草取りをしたり、病気にかかっていないか見回りをしたりして丹精込めて育てる。稲刈りまで行い、10月に給食で食べる予定。
機械植えと手植えの両方を体験した6年生の春山樹(いつき)さんからは「手植えでは泥に手がはまり、抜こうとして腰が痛くなった。機械で植えるのが楽」、同じく6年生の一谷灯真(とうま)くんからは「機械では早く植えることができたが、手植えの方が思い入れが強かった」といった感想が聞かれた。2人からは「米農家の苦労が分かった」という感想と共に、「食べるのが楽しみ」と秋の実りへの期待も聞かれた。
6年生の作業を見学した1年生の後藤司くんは「植えるのが上手だった。早く自分も植えてみたい。泥がどんな感じなのか触ってみたい」と来年の田植えに期待を寄せた。
地元農家で指導員の仲村学さんは「自分も小学生の頃、この行事に参加した。田植えを通じて食育の大切さを伝え、米作りの文化を残していきたい」と意欲を見せる。
教頭の小島瑠理子教諭は「今年は苗づくりで苦労したが、無事に田植えができてよかった。地域の人たちの協力のおかげで、児童はこの地域独自の経験ができる」と感謝の言葉を述べた。