障がい児通所施設職員の経験を持つ似顔絵画家が絵本「おはなのゆめ」出版 「本が苦手な子でも読んでくれる」をコンセプトに
6/15(土)障がい児通所施設職員の経験を持つ似顔絵画家が絵本「おはなのゆめ」出版
「本が苦手な子でも読んでくれる」をコンセプトに
船橋市在住の似顔絵作家「似顔絵屋りんくぺいんと」を主宰する星梨絵さん(34)が初めて手掛けた絵本「おはなのゆめ」がインターネット書店や通販サイトなどで3月15日、販売を開始してから3ヶ月が経った。
星さんは千葉市出身。和洋国府台女子高校を卒業、和洋女子大学(ともに市川市)に進学し福祉を学ぶ。当初、高齢者福祉を希望していたが実習中に関わっていた利用者の死に直面、進路を知的障がい分野に変更した。
学生時代のボランティアとして福祉業界に入り、アルバイトとして働くようになり卒業後そのまま就職。結婚を機に退職するまで7年の業界経験を積んだ。夫の転勤に合わせ千葉市から船橋市に移住。現在は男児2人の母として船橋を中心に活動、10月には3人目の出産も予定している。
高校生の時に選択授業でムンクの「不安」を模写したのがきっかけで油絵を知り、その後も趣味として絵を続けていた。いつしか「絵を仕事にできたら」と考えるようになり友人などを通じて絵の仕事をするように。友人から「似顔絵を使ったLINEスタンプを作ってほしい」と依頼され、YouTubeなどで似顔絵を学ぶように。その中で市内外で活躍する「にがおえ便」浜田ことさんを知り、あこがれを抱くようになった。
市内のイベントで本人に出会い、浜田さんの教室で本格的に似顔絵を学ぶようになった。今年3月には日本似顔絵検定協会の「似顔絵検定1級」も取得。
一方で「どうやったら絵本嫌いな次男が本を読んでくれるだろう」と育児の悩みも。「子どもが興味を持ってくれる絵本を自分で作ってみよう」とかつて関わっていた障がい福祉分野の知識も踏まえ昨年8月から企画、12月には入稿を済ませ、3月に出版が叶った。
「夢を持ち続けると、いつかきっと叶うものだよというメッセージを込めています。2~3才を対象に本が苦手な子でも読んでくれるように工夫してみました」と話す。
「目」に魅了され作品を作ってきたという星さん、「おはなのゆめ」にも主張の強い「目」が登場する。
子どもたちの成長を見守り語り返るような温かい目、真っすぐに夢を見据える目、挫折があり悲しそうな目。目で花の感情を表現したことで子どもたちが本能的に惹きつけられるのかも知れない。