「知っておくべき心肺蘇生法」をテーマとした救急医療シンポジウム、救急専門医の基調講演や体験コーナーも

  2024/9/18
シェア ポスト 送る

9/18(水)「知っておくべき心肺蘇生法」をテーマとした救急医療シンポジウム

救急専門医の基調講演や体験コーナーも

 船橋市勤労市民センター(船橋市本町4-19-6)で9月14日、船橋市救急医療シンポジウム実行委員会による「第33回市民とともに考える救急医療シンポジウム」が開催された。

 同イベントの主催は、船橋市救急医療シンポジウム実行委員会。大会会長は松戸徹市長、委員長は船橋市医師会会長の鳥海正明さん。総合司会の船橋市赤十字奉仕団委員長の渡邉千代美さんは「心肺蘇生の意義と方法などについて、救急医療専門医から話が聞ける貴重な機会。皆さんに広く知ってもらいたい」とあいさつをした後、松戸徹市長は「船橋は24時間体制のドクターカーの構築、コンビニや中学校にもAEDを配置している。人口が多いからこそ地域医療、救急医療が必要。今後も市民の皆さんのご協力をお願いしたい」と呼びかけた。

 鳥海さんは「心肺蘇生が必要な時というのは、家の中や近所が比較的多い。今日は年齢層高い方が多いですが、ぜひお子さんやお孫さんにも伝えて、次回は若い世代に参加してほしい」と笑いを誘いながら伝えた。

 基調講演の講師は30年以上救急治療の最前線で活躍する日本救急医学会専門医の貞広智仁さん。「生きるためには酸素が必要。酸素なしで生きられる時間は脳が最も短くて3~5分。ですので、人が倒れた時にそばにいた人(バイスタンダー)が頑張るしかない」と心肺蘇生の必要性を説明した。

 また、バイスタンダーの有無と生存率の関係や胸骨圧迫(心臓マッサージ)の必要性なども紹介。「まずは反応の確認。胸とおなかの動きを見て、声をかけて返事がなければ両肩を強くたたく。それでも反応がなければ119番をしつつ、とにかく素早くAEDをつけることが大事。近くになければ胸骨圧迫して救急隊を待ってください」と一連の流れについて話した。

 シンポジウムの部では土居良康さん(船橋市医師会副会長)、高木康博さん(同・理事)が司会、救急救命士の菊池祐一さん(船橋市消防局救急課救急指導係)、境田康二さん(日本ACLS協会理事長)、都築弘さん(船橋市立医療センター初代救命救急センター長)がシンポジストとして発表した。

 菊池さんは、2004(平成16)年からAEDの使用を一般市民に認可されたと説明した後、船橋市内のAEDの設置数や取り組みを紹介。「市内では中学校のAEDを屋外に設置していつでも利用できるようにしたり、AEDマップもあるので見ておいてほしい。質の高い心肺蘇生法ができる人を増やしていきたい」と話した。また「救急車を呼ぶか迷った時は『#7119』で電話相談できるので、救える命のためにできることを知ってほしい」とも呼びかけた。

 境田さんはBLS(一次救命処置)は、CPR(心肺蘇生)、AEDの使用、窒息に対する対処の3つがあると説明。「うずらの卵で窒息したお子さんの報道が最近あった。窒息した時には腹部突き上げ法、背部即打法があり、乳児には、背部即打法を行う。ぜひ身に着けてほしいし、関係者に実習を徹底させることが必要」と訴えた。

 都築さんは船橋市のドクターカーの取り組みや、病院外医療がレベルアップしている現状を紹介した後、「若手の心肺蘇生ができる人を確保するのが大事。教師にまずCRP教育を行い、生徒たちに教えられるようにすることが必要」と話した。

 同日は会場前などで「救急フェア」も開催され、心肺蘇生法体験コーナーや船橋市の救急医療体制についてパネル展示も行われたほか、非常用の備蓄用パンの常温保存食料品が配られた。

関連ページ:船橋市AEDマップ

  • あいさつをする船橋市医師会会長の鳥海正明さん

  • 心肺蘇生のポイントを話す講師の貞広智仁さん

  • 心肺蘇生法を親子で体験する人も

  • 心肺蘇生の際の姿勢も細かくチェック

MyFunaねっと
MyFunaねっと
千葉県船橋市に特化した情報を発信するタウン誌「ふなばし再発見!!マガジンMyFuna」編集部が運営するローカルニュース「MyFunaねっと」の情報を掲...
プロフィールや他の投稿を見る

シェア ポスト 送る