船橋市サッカー協会が小・中学校年代指導者の交流会 ドイツで活躍する石井さんがミニ講座実施も
11/1(金)船橋市サッカー協会が小・中学校年代指導者の交流会
ドイツで活躍する石井さんがミニ講座実施も
船橋市サッカー協会の小学生年代(4種)、中学生年代(3種)指導者が顔を合わせ近況共有と今後の指導に関する連携について話し合う交流会が10月26日、船橋市役所近くのBAR MALUMALU(船橋市本町2-10-29)で行われた。
ドイツで指導者として活躍する石井直人さんの帰国に合わせて開催。ドイツサッカー界の成功事例や現在の取り組みなどをミニ講座形式で共有した。
石井さんは船橋市出身の1979年生。峰台小学校、宮本中学校を経て、柏レイソルユース、明海大学でプレー。2002年に渡独、Regensburgなどのチームでプレー。2005年DFBドイツ指導者ライセンスを取得。
2021年から選手兼指導者として育成中心に活動を開始。2022年からは育成指導者アドバイザーとしてバイエルンミュンヘンシニアに活動を広げる。2023年からブンデスリーガアカデミーで監督を務めている。
この日は「DFBドイツサッカー連盟育成改革」のテーマで講演。1990年イタリアワールドカップ優勝以降、ドイツサッカー協会が行ってきた育成改革について話した。
1999年、LSKサッカー学校設立。10才から授業にトレーニングを取り入れ、栄養学・解剖学なども並行して学ぶことで指導者育成も行ってきた。
2002年にDFBトレセン制度を設立。LSKサッカースクールに所属していない11~14才の子ども達を対象に週1回程度のトレーニングで育成。国全体に取りこぼしのないようくまなく網を張った。
2004年にNLZプロ育成アカデミーを設立し、ブンデスリーガアカデミーで生活支援・寮の提供だけでなく学業の補佐心理苑でのコーチのケアなどを通じたプロ育成の仕組みを作った。
人口約1300万人のバイエルン州には約4,500のサッカークラブがあり子どもたちは17歳くらいまでは色々なスポーツを経験しバランスよく体を作っていくという。
日本では地域のサッカークラブが目立った子どもたちを他のクラブや他競技に目移りしないよう囲い込む傾向が強くその対比を例に挙げた。ドイツでは国を挙げてワールドカップ優勝を目指す仕組みを作っているのだという。
また、一人の選手がプレーする間、他の選手が休憩時間になったり手持ち無沙汰にならないようゲーム形式の練習を多く取り入れている。
見ているだけになる時間を少なくすることで練習時間の中に効率よく走る時間を確保、楽しくトレーニングできるようにカリキュラムを構築しているという。
また、指導者が1人で15人~20人を見る場合はゲーム形式を多用しているという。
そのほか、州ごとに7人制サッカーにローカルルールを設け、スローインを廃し、キックインでリスタートする方式を公式に採り入れゲーム全体の展開がスピーディーになったなどの成功事例も共有された。
ミニ講演終了後は、軽食をつまみながらの意見交換会。普段の練習方法や指導者間で市サッカー協会の育成部が目指す姿についての共有を行った。
「年代を超えた指導者間の交流会が行われたのは、とても珍しい取り組み。今後のサッカー界発展に向け、大きな一歩を踏み出したと実感している」と育成部を担当する末水さん。