旭中学校と法田中学校で西原さつきさんによる講演会、船橋ロータリークラブがLGBTQをテーマにした出前授業を提供
12/17(火)旭中学校と法田中学校で西原さつきさんによる講演会
船橋ロータリークラブがLGBTQをテーマにした出前授業を提供
旭中学校(船橋市旭町2-23-1)の体育館で12月11日、西原さつきさん(さつきぽん)による出前授業「DEI・LGBTを知り『自分らしく生きていくこと』」が行われ、同校の2年生約300人が参加した。
同出前授業を企画したのは船橋ロータリークラブ。同クラブの社会奉仕事業のひとつとして、今年は12月11日に旭中学校に、翌12日には法田中学校に同出前授業を提供した。
講演を行ったのは、歌手や声優で活動するほか、女性になりたい人を支援する「乙女塾」の創立者である西原さつきさん。YoutubeやTikTokなど各種SNSで「さつきぽん」としても活動している。
西原さんは男性として生を受けたことに、幼いころ違和感を感じ、16歳で女性ホルモンの投与を開始。大学卒業後は女性社員として働いた経験もあり、26歳で性別適合手術を受けた。
その後、トランスジェンダーの世界大会「Miss International Queen 2015」ではミス・フォトジェニック賞を受賞。2016年には「乙女塾」を創設。現在は、年80本ほどの講演会活動などを通して、トランスジェンダーをした自身の経験を次世代へ伝えている。
同講演を同校に提供した、船橋ロータリークラブ会長の越川新太郎さんは「以前、自分の子どもが学校で西原さつきさんの講演を聞いたらしく、子どもがその講演の内容にとても興味を持っていた。我々ロータリーではDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を尊重していることもあり、今回、出前授業として届けるのにいいのではないかと思い、お願いした」と経緯を話す。
講演のテーマは「自分らしく生きていく」。最初に西原さんがLGBTQの基礎知識としてL=レズビアン、G=ゲイなどの説明をしたあと、生徒に「LGBTQ+は全体の何%?」という問題を出し、正解の「8.9%、つまり10人に1人」を伝えると、会場はどよめいた。
その後、西原さん自身のトランスジェンダー体験談を幼少期に遡ったところから伝え、「女性になると世の中の見える色の数が圧倒的に増えた」と自身の体験を伝えた。「誰にも言えないのがつらい」など、どんな悩みを抱えていたかの共有や、西原さんの知人などに行ったアンケートの結果として「言われたらつらい言葉」に「普通は~」と言われるのが一番つらいという結果が出たことも伝えた。
最後に西原さんは「こうした講演会のあと、どこでもだいたい後日になって、参加していた生徒さんからSNSにDMをいただく。もしこの中にも人に言えなくて困っている子がいたら、SNSで『さつきぽん』と検索してもらってDMくださいね」と呼びかけた。
生徒を代表して感謝の言葉を伝えた女子生徒は、「LGBTQの人の割合が10人に1人とは驚いた」と感想を伝え、花束を贈呈した。講演を終え、西原さんは最後まで生徒に手を振りながら会場を後にした。
翌12日には法田中学校を訪れ、同じ講演を提供した。