
明治から続く「森田呉服店」が約153年の歴史に幕 別れを惜しむ多くの来店客
2025/3/8
3/8(土)明治から続く「森田呉服店」が約153年の歴史に幕
別れを惜しむ多くの来店客
本町通りにある明治5年創業の「森田呉服店」(船橋市本町4-35-14)が3月7日、153年の長い歴史に幕を閉じた。
「森田呉服店」は、同所の隣にもともと本家があり、江戸時代の終わり頃に分家して、現在の場所に開店したという。5代目の店主の森田雅巳さんは「戦争も空襲も関東大震災も、東日本大震災も乗り越えて続けてきましたが、雨漏りがひどくなり、屋根の補修、耐震も必要になってきた。心苦しい決断でしたが今回閉店することになりました」と話す。
同店は呉服店として営業していたが、時代に合わせて扱う商品を変え、約12年前に店内をリニューアルした後は、手ぬぐいや久留米絣(がすり)で作った布小物、作務衣(さむえ)などをメインに販売していた。船橋の町名が書かれたご当地手ぬぐいやユニークな柄の手ぬぐいは、幅広い世代から人気だったという。
閉店することが知られてからは、SNSなどで歴史的な建物がなくなることを知り最後に一目見ようと来店する人や、長年付き合いのある人が別れを惜しんで来店するなど、毎日多くの人が訪れていたという。
たまたま立ち寄ったという女性は「今日で終わりとはびっくりした。最後に記念に手ぬぐいを買います。この建物は本町のシンボル的な存在だったのに残念」と話した。
営業は終了したものの、店舗はしばらく残り、7月末ごろから工事が始まる予定だという。船橋市本町通り商店街振興組合の理事長も務める森田さんは「店はなくなりますが、商店会の活動は継続して地域を盛り上げたい。明るい閉店です」と話し、「これまで長い間やってこれたのは皆さんのおかげ。心から感謝しています」と感謝の気持ちを話した。
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