船橋市場水産仲卸業者「川宗」がSNSを本格運用、元同級生のコピーライターとタッグを組んで
2/18(金)船橋市場水産仲卸業者「川宗」がSNSを本格運用
元同級生のコピーライターとタッグを組んで
船橋市地方卸売市場に入る水産仲卸「川宗」(船橋市市場1-8-1、TEL047-422-0669)では昨秋から本格的なSNSの運用を開始したところ、2月18日にインスタグラムのフォロワーが1700人を超え、船橋市場内水産仲卸としては最も多くフォロワーを獲得している店舗となった。
同店は水産棟に入る水産仲卸業者で、代表は現在、若くして船橋市場の理事長を務める石井立朗さん。2人の弟、亮平さん、千博さんの三兄弟を中心に、スタッフ一丸となって店を切り盛りする。
新型コロナウイルスが流行する前までは、同店に仕入れに来る客の9割が飲食店だった。しかしコロナ禍において飲食店が休業せざる得ない状況の中、給付金が出ない鮮魚仲卸は窮地に立たされ、「何かしなくては…」と悩んでいた際、千博さんの船橋中学校時代の同級生・田中大喜さん(37)がSNSでの発信に力を貸してくれることになったという。
同店では2020年5月にインスタグラムのアカウントを取得し、当時は石井さんたちが時々魚の画像をアップしていたが、そのころは大きな反響はなかったという。元同級生の田中大喜さんに相談したところ、田中さんが自身でデザイン制作会社を立ち上げたばかりともあり「実績作りのためにも手伝いたい」とインスタグラムの更新のみならず、店内掲示物やさまざまなもののデザイン、コピーライティングを引き受けた。
毎日必ず1本は投稿することを心掛け、千博さんが毎朝、田中さんに魚の画像と、ちょっとしたコメントを添えて田中さんに送ると、田中さんが脚色を加えてアップするという連携を取った。続けていくとその反響は予想以上で、現在はインスタグラムのフォロワーが1700人を越え、今までにはなかった「インスタを見て買いに来ました」という客も現れるようになったという。
田中大喜さんは日本芸術大学文芸学科を卒業。新卒で入った都内の広告制作会社でコピーライティング中心に7年ほど勤務。その後、一旦会社を辞め、たまたま依頼があった仕事を引き受けていく形でフリーランスに。昨年、大学時代の友人と「株式会社スイミー・パーク」(船橋市北本町)を立ち上げ、代表を務めている。
「千博が同級生だからっていうのもあるけど、船橋にこんなにいい市場があるのに、船橋市場に入れることすら知らない人がまだまだいる。そういう人たちに市場の魅力を知ってもらいたい。やっぱり地元の人が船橋市場を知らないことには、広がっていかない」と田中さん。「もともと魚が好きだったということもあるけれど、市場の良質な魚の味を知ってしまうと、もうほかでは魚が買えなくなってしまいました」とも続けた。
千博さんは「市場の魚は質のいいものがそろっているってことを知ってもらいたい。一般家庭でも馴染みのあるアジひとつとっても、うちは3種類くらい扱っている。馴染みのある魚ほど質の違いを伝えたい。市場=豊洲だけじゃなく、身近でこんなにいい食材がたくさん集まる場所があることを地元のみなさんに知っていただきたいです」と熱く話す。
「写真は、なるべく一般の人が見たことないようなものを撮影しようって心掛けていますよ」とも。
田中さんは「SNSを通して、一般の人が市場に来やすくなるような発信もしていきたいと思っています。時間帯によって、業者さんが多い時間帯とか、一般の人は知らない。そういうことも、市場の中の人だと当たり前すぎて発信しないでしょうが、自分が市場の人間ではないからこそ発信したほうがいいと判断できています」と話す。
「目指しているのはフォロワー1万人超え。SNSを通じて、日本全国のいろんな仲卸さんとも交流ができたら嬉しい。オフ会とかもやって、リアルなつながりも作っていきたい」と2人は目を輝かせる。
関連リンク:
川宗インスタグラム https://www.instagram.com/kawasou35.official/
スイミー・パーク http://www.swimmy-park.com/