No.115 給食がない夏休みに毎日開催!「こども食堂」 茂原市 

  2025/7/25
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近年、様々な家庭の事情により、十分な食事や温かい団らんを得られない子どもたち、子どもの貧困や孤食(こどもが一人で食事をすること)が増えていることが社会問題となっています。
こうした中で注目されているのが「こども食堂」の取りくみです。

給食がない夏休みこそ必要!と考え、夏休み期間中の土日を含めた毎日「こども食堂」を開催している茂原市のNPO法人ディーセントライフを訪ね、ボランティアスタッフとして参加させていただきました。

ここに来れば誰かいるよ。誰でも来ていいんだよ。

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核家族化や共働き世帯の増加、ひとり親家庭の増加により、一人で食事をする子どもが増え、「孤食」を望んでいない子どもたちや心配しながらもそうするしかない親御さんたちがたくさんいます。

一人では行きづらければ、お友達を誘って遊びに行く感覚で来てくれたらいい。

お母さんが連れてきて、子ども達だけ食べて帰る。それでもよいです。お母さんだって、毎日のご飯の用意大変ですから。

本来、食事は人とのコミュニケーションの場でもあります。
こども食堂を利用し地域の人々や他の子どもたちと一緒に食べることで、安心感やつながりを感じることができたら…と、「ここに来れば誰かいるよ」「子どもは誰でも来ていいんだよ」そんな思いから、ボランティアスタッフの協力で運営されています。

地域コミュニティの再生という役割

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会場の公民館の調理室には 子どもたちの笑い声が連日 響いています。

ボランティアとして参加する大人たちとの交流や、地域の人との交流を通じて、子どもたちは多様な価値観にふれることができます。

まず子どもたちの数だけ、ボランティアスタッフの数だけ「こんにちは」の挨拶があちこちで広がります。

「いただきます」「どうぞ〜。いっぱい食べてね」
子どもたちの嬉しそうな顔と会話にボランティアスタッフの心もほっこり。

「ごちそうさまでした」「あら〜、いっぱい食べたね」
「ありがとうございました」「こちらこそ。ありがとうね」
この言葉で子どもたちもボランティアスタッフも笑顔になります。

「またおいで。毎日おいで〜」「は〜い。また来ます」
子どもも大人も笑顔で手を振ります。

食事の時間に、一人では発することがない言葉と会話が生まれ、笑顔が生まれ、優しい時間が流れます。

こども食堂は単なる食事提供の場にとどまらず、子どもたちの心身の成長を支えるとともに、地域で子どもを見守る、地域社会をつなぐ、そんな大切な役割を果たしています。

一人じゃない…って、心強くて幸せなこと。
この場所が必要な子どもたちに情報が届きますように…。
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地域活動の参考に…見学も随時受付OK

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今回の夏休み限定のこども食堂は、ボランティアの負担を少なく、安全管理も容易に…やろうと思えば数名の有志が集まれば出来るよう工夫して運営がされています。

◆メニューはシンプルに炊き込みご飯と味噌汁。
炊き込みご飯は8種類の味を曜日をずらして日替わりローテーション。
◆会場ではご飯を炊くだけ、調理はしません。
◆当日ボランティアは受付と配膳と見守りが主な役割。
◆食後は子どもが自分たちで食器を洗い片付けるのを見守ります。
◆時々キッチンカー出店あり。(協賛により子供たちへ無料提供)
◆企業協賛による食材やお菓子の寄付。

地域活動の参考に…見学も随時受付ているそうです。

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こども食堂の課題、持続性の問題

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「仕込みは大変でしたが美味しい!と食べてくれる子どもがいてくれるだけで苦労も幸せに変わる‼️ボランティアは、心が満たされる。」
そう話すのは主催NPO法人ディーセントライフの牧さん。

続いて…「子ども食堂が必要ない社会を願っている。政治しかそうした社会にすることが出来ないと痛感しています。ボランティアがやっていることが当たり前ではなく、おかしなことだと考えることが大事です。」という言葉がとても印象的でした。


こども食堂の多くは民間の善意に頼った自主運営、ボランティアや寄付によって成り立っています。
資金や人手が不足し、継続的に運営するのが難しいことがあります。
今後も持続可能な形でこども食堂を運営していくためには、行政の公的支援の制度化(補助金・人材派遣など)による安定した財政基盤や地域住民、企業などの協力が必要だと感じました。

思いやりの循環と行動

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たまに「こども食堂に行く=貧しい子」という偏見や誤解が生まれてしまうことがあります。
そのため、一部の子どもや保護者が参加をためらうこともあるのだそうです。
誰でも来られる「地域食堂」として運営する方たちが工夫や努力をされていますが、完全には解消されていない現状もあります。

_____こども食堂主催者のお話_____
本当に必要な子どもは、紛れて来ます。
よく「茂原市にご飯食べれない子どももいるんですか?」とか「本当に必要な子どもも来れるんですか?」と聞かれます。
私達の活動だけでは全ての子ども達を救えません。
ですが、たった一人でも、今日のご飯で満たされる子どもがいるとしたら…
子ども食堂の活動は、社会への問題定義でもあります。
豊かに見える日本でも、じっと耐えている命もある。それも声をあげられない子どもだとしたら!

行動することでしか変えられない社会です。
騒いでも机上でレポートしていても、お腹は満たされない! そうです。血の繋がりがない他人でも、あなたを心配で愛おしく思っている大人が沢山いることを知って貰うことで救われる子どももいる。
私達は、そういう思いやりの循環の活動が社会をより良く暮らすひとつのかたちと考えて行動します。
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牧さんのお話を伺って、思いやりの循環、そして行動が社会を動かす力になっていくのだと感じました。
そして実際に関わって感じることが大切なのだと思いました。

子供たちが笑顔で暮らし、優しさを学びながら成長出来る豊かな社会、安心して子育てが出来る豊かな国を望みます。

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取材・ライター:黒沼美保
※掲載内容は取材日時点のものです
 (取材日:2025年7月)

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《こども食堂》

会場: 鶴枝公民館
  千葉県茂原市下永吉1012

開催日時: 夏休み限定!
7/ 22〜8/31
     11:30〜13:00
駐車場: 有り

主催: 特定非営利活動法人ディーセント・ライフ
   理事長 仲井琢磨
   担当  牧 由美

千葉県茂原市小林2933
Mobile:080-1088-1359
E-mail: decentlife2022@gmail.com

ディーセントライフ Instagram
https://www.instagram.com/npo_dl/

ディーセントライフ Facebook         https://m.facebook.com/dllife/

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茂原市周辺を拠点に仕事や地域活動などに取り組む女性たちが集まって編集部を結成! 茂原市&周辺地域の人、物、場所、イベント、ニュースなど...
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