
外国人向けに防災の知識と起震車体験 船橋市と国際交流協会が講座開催
10/4(土)船橋市在住外国人向けに防災の知識と起震車体験
船橋市と国際交流協会が講座開催
船橋市と船橋市国際交流協会の共催で9月30日、中央公民館(船橋市本町2-5-5)で、市内に住む外国人を対象に、災害が発生した時の対応を学ぶ「外国人向け防災講座」を開催した。
人口約65万人の船橋市に居住する外国人は約25,000人となり、市では多言語の相談窓口を設けるなど外国人居住者への支援を強化している。国際交流協会と連携して毎年開催する「外国人向け防災講座」もその一つで、講座には8カ国20人の外国人居住者と10人の市民ボランティアが参加した。
講座は船橋市国際交流協会の事務局長であり、SL災害ボランティアネットワークの代表理事でもある片桐卓(たかし)さんによって進められた。SL災害ボランティアネットワークは、地域のより多くの人に防災について知ってもらうために、船橋を拠点として防災講座や訓練などを行っている団体。
片桐さんは「日本は地震、水害、台風などの災害が多く、船橋市でも大きな被害が予想されている。情報を知り備えることで、被害や危険を減らすことができる」と同講座の目的を説明した。
大きな地震がきたら机の下に入ったり座ってかばんなどを頭にのせたりして身を守るといった基本的なことから始まり、家具の配置や固定の仕方、津波から逃げるための注意点、家が壊れたときに学校や公民館などの避難所に無料で生活できること、避難者カードの必要性や土足禁止などのルールがあることなどを「やさしい日本語」で解説した。
さらに、災害が起こったときのために何を備えているかを書き出すワークショップを実施。日本人ボランティアが支援し討論しながら進められた。討論後に、避難所に行くときにあるとよいもの、避難所に行かずに自宅で暮らす場合の備えが説明され、参加者は熱心に聞き入っていた。片桐さんは「テレビなどの情報が限られているので、船橋市の多言語のホームページにアクセスして確かめてほしい」と呼びかけた。
座学の後の実地体験では、市所有の起震車を使って「震度7」の揺れを体験。「こんなに揺れるとは思わなかった」「とても怖かった」と感想を述べあっていた。また屋内で火事が発生した際に煙から身を守りながら避難する煙中ハウス体験も行い、体勢を低くして壁を伝いながら逃げる方法を教わった。
講座を受けたネパール人の女性は「会社から勧められて参加したが、いろいろなことが分かってとてもよかった。帰ったら備えをしたい」と話した。
片桐さんは「毎回アンケートを取っているが反応もよく、役に立つ取り組みになっていると思う。今後はさらに参加者増えるよう伝える工夫をしたい」と意欲をみせた。