
「まち全体を病院に!」板倉病院の取り組みがグッドデザイン賞へ 船橋発「屋根のない総合病院」という取り組みが評価され
10/16(木)「まち全体を病院に!」板倉病院の取り組みがグッドデザイン賞へ
船橋発「屋根のない総合病院」という取り組みが評価され
医療法人弘仁会(船橋市本町2-10-1、梶原崇弘理事長)が推進する「屋根のない総合病院」プロジェクトが、2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞した。
地域包括ケアの概念を拡張し、まち全体を医療・福祉のフィールドとする取り組みが、先駆的な地域デザインとして高く評価された。
同会は、健康寿命の延伸や高齢者支援のあり方を見直し、医療機関が地域に出向いて市民とつながる仕組みを整備してきた。診療所という枠を超えた活動により、多世代が自然と医療・介護に関わるまちづくりを実践。地域のつながりや理解を深めながら、持続可能な社会の形成を目指している。
同法人の取り組みは多岐にわたる。病院の食堂を地域に開放した子ども食堂「いたくらごはんlabo」、未病の状態から関わりを持ち、いざという時に相談できる関係性構築を目的とした「日本酒の飲み方講座」「ラテアート教室」などの各種事業。
普段からのこうした取り組みに対してコロナ禍においては、地域からの激励の寄付などが集まりオンラインで職員が感謝の気持ちを返すシーンも。
グッドデザイン賞の審査委員は、「職員自らが地域に出向いてまちづくりに取り組む姿勢が印象的で、今後のモデルケースとなり得る」と評価。特に都市部での実践を重ね、多世代を巻き込んで継続的に活動している点に注目し、「病院という概念を再定義する試み」として高く評価されたという。
受賞プロジェクトは、11月1日から5日まで東京・六本木の東京ミッドタウンで開催される「GOOD DESIGN EXHIBITION 2025」にて展示される予定。国内外の優れたデザインが集まる本展示では、受賞の象徴である「Gマーク」とともに紹介される。
弘仁会経営企画室の城築(きづき)絵理さんは「住民と共に未来を描くこの取り組みが、地域の希望となれば」と話している。