市川市の大門通りから弘法寺までの参道で行われた「KUGURU展」を訪ねてみた。
市川市では、官民一体となり「ICHIKAWA ART CITY」実行委員会が主体となって各種のイベントを行っている。今回「KUGURU展」も同実行委員会の企画の一つだ。
ICHIKAWA ART CITY(イチカワアートシティ)は、アートが楽しめる都市・市川を目指し、各方面からアーティストを誘致、その活動を支援。大きな壁画や彫刻などが、街中に溢れていくことでアートスポットが増え、日常にアートが息づいていく事を目指しているという。
KUGURU展では、アーティストがデザインした暖簾(のれん)を商店街に飾り、買い物など日常生活のなかで地域の人たちがアートを楽しめるイベントを目指して企画されているという。
KUGURU展では、商店街や街中の空きスペースを活用してアーティストや作家が作品を展示・販売する。アーティストの出店するブースの横では商店街の肉屋や八百屋が通常営業している。店によってはテイクアウト用の商品を店頭販売していたりもする。
アートイベントだからといって商店街の店舗がのけ者になっていない点、集客力を利用して商売につなげている点などは他の地域で展開する商店街にも見習ってほしい部分だ。
今回訪問した一番の目的地は、「KUGURU展」の終着点でもある「弘法寺(ぐぼうじ)」近くの空き地で行われていたマルシェ。
マルシェ出店者の中には、夫婦で店番する方々も。奥さんが作家で夫は「休みの日なのでついてきた」という何となく手持無沙汰な風情が町中でイベントを楽しんでいるなごやかな雰囲気に貢献している。
マルシェが行われている隣でクラフトビールを提供する釘抜克典さんは、今年中開設を目指して「話飲茶屋つぎはし」を間借りして毎週月・火、17時頃~クラフトビールを提供するタップマルシェを開催。
開設準備をしている間にクラフトビールファンを語り合い、一緒になって店を作っていこうという考えだ。開設に向けてアドバイザーとして関わるのは、全国のクラフトビール業界でも名の通っている松井純さん。
この日は、松井さんとタッグを組みクラフトビール×スパイスカレーというコンビでイベントを盛り上げていた。「つぎはし」に設置されたカウンターでビールを提供、春の陽気に誘われて散歩中の人たちも足を止めクラフトビールを楽しむ様子がみられた。
千葉商業大学の学生たちもボランティアで参加。チラシ配りや出店者のフォローなどに奔走していた。釘抜さんのクラフトビールに関する記事はコチラから。
ICHIKAWA ART CITYのもう一つの企画「NAKAYAMA AIR」
市川市内には大きな寺社が弘法寺以外にもいくつかある。船橋市と市川市の市境にある「中山法華経寺」では同時期にもう一つの企画「NAKAYAMA AIR」が稼働していた。
Nakayama AIRとは、千葉県市川市中山エリアを舞台とするアーティスト・イン・レジデンスプログラムで、国内外を問わず広くアーティストを募集、約3カ月間の滞在中に作品制作及び中山エリアでの展覧会を開催するという企画。
Nakayama AIRでは、招聘アーティストの滞在制作及び展覧会を支援するとともに、ワークショップ、アーティストトーク、協働制作などの交流プログラムを開催し、アーティストと市民との多様な交流を図る場を設け、芸術に関わる人材の育成及び芸術文化振興の一助となることを目的としていたという。(公式HPから抜粋)
https://www.ichikawaartcity.art/nakayamaair
Nakayama AIRで制作された作品は、3月27日まで法華経寺境内に展示されており、週末には桜の開花に合わせて多くの人が訪れ作品を楽しんだことだろう。
日本気象協会によると関東地方の満開は3月27日。桜を楽しみながらアートを楽しむこのイベント、もう一週間継続されていても良かったのに…と、市川市長選挙のポスターを眺めながらしみじみ思う。