高瀬下水処理場が消化ガスを利用した発電および外部売電を開始、民設民営方式で年1億円の収益見込む
5/5(木)高瀬下水処理場が消化ガスを利用した発電および外部売電を開始
民設民営方式で年1億円の収益見込む
船橋市の高瀬下水処理場(船橋市高瀬町56番地)で、汚泥から発生する消化ガスを利用した発電および外部売電事業「高瀬下水処理場消化ガス発電事業」が4月1日から始まった。
これまで汚水を処理する際に発生する汚泥は、場外に搬出し、セメントの材料として再資源化してきたが、さらに有効活用するため、汚泥を発酵させて発生した消化ガスを燃料とする発電設備の整備を行い、3月25日に完成した。
民設民営方式による発電事業は、プロポーザル方式で選定した「JFEエンジニアリング株式会社」と事業契約を締結。同社の持つ技術や資金を活用して設備の整備や運営を行い、市は直接売電するのではなく、同社から土地占有料や消化ガスの売却費として年間約1億円の歳入を見込んでいるという。民間事業者とのコラボによる売電の取り組みは、市内では西浦下水処理場に続き2例目。
1993(平成5)年に建設着手した高瀬下水処理場は、船橋市最大の処理区であり、1日8万~8万5,000立法メートルの処理を行っているという。計画処理人口は市資料によると、約26万人分の人口に対応するものだとしている。
「これまで、処理の過程で発生した汚泥は、お金を支払ってセメントの材料として再利用していました。今回は汚泥を利用して発生した消化ガスの売却代と、発電施設の土地占有料が収益となるだけでなく、汚泥発生量が少なくなるのでセメントの再資源化代も抑えることができます」と市下水道施設課の齊藤博紀さん。「消化後の汚泥は汚泥処理棟に戻されますが、匂いが軽減するというメリットもあります」とも。
「再生可能エネルギーを有効利用することで、地球温暖化防止にも貢献していますし、市の収益増にもつながっています。こういった取り組みを広く知ってもらいたい」と同課の広川史典さんと齊藤さん。