船橋市場の魚がし鎌形が寿司加工所開設、コロナ禍で落ち込む需要カバーにコロナ補助金活用して
7/13(火)船橋市場のマグロ問屋「魚がし鎌形」が寿司加工所開設
コロナ禍で落ち込む需要カバーにコロナ補助金活用し
船橋市地方卸売市場内に本社を構える魚がし鎌形(船橋市市場1-8-1)が事業再構築補助金を活用して今夏加工場を新設、コロナ禍で仕入の減る飲食店からの需要減に対応するため物販部門での盛り返しを図っている。
同社の系譜は、現代表・鎌形竜也さん(47)の祖父が創業した船橋港の漁師に遡る。その後、竜也さんの両親が船橋市場の前身となる民設の小さな市場で「鎌形水産」を開業。50年ほど前に船橋市中央卸売市場開設と同時に同地に移り、平成23年に竜也さんが開業した「魚がし鎌形」に事業を集約し今に至っている。
同社の事業は、マグロを中心とした鮮魚の仲卸事業と、水産加工品や総菜の製造販売など。主にスーパーや飲食店向けの卸売事業者として業容を拡大。平成14年頃から開始した鮮魚や塩干(えんかん)品と呼ばれる魚介類を塩に漬けて干したものを扱う販売部門は最盛期に9店舗まで拡大。都内含め千葉県内北西部を中心に出店を進め成長してきたという。
しかし、急激な出店コストを売上増で吸収しきれず数年かけて直営店を2店舗まで減らした。従業員の雇用確保を目的に日曜日の休市を利用し「船橋市場の日曜朝市」を開始したが、これも一昨年末のコロナ禍を受けて規模の縮小をせざる得なくなったという。更に、コロナ禍で飲食店からの受注は目に見えて減っていった。どん底になっても匙を投げず、それでも笑顔で取引先や顧客と接し続ける日々が続いたという。
そんな折、津田沼駅前に催事出店していた業績を見て、「4月に西船橋駅構内で催事をしてみないか」という声がかかった。催事に合わせて3月に加工場を新設。西船橋駅での催事は大成功を収めたという。その後、7月16日には埼玉県の浦和駅、8月1日~津田沼駅、8月16日~神奈川県の川崎駅、9月1日~再び西船橋駅とトントン拍子にこの先の出店依頼が舞い込んだという。
10月1日~は西船橋に、11月~は千葉駅に常設店の出店を予定。8月初旬にも市内夏見に開店する「ランドローム船橋夏見店」に販売ブースを持つことも決まっている。今回、新設の加工場は3月の施設とは別に開設する。この先の売り場増に備えた投資だという。
新設の加工場では、寿司、海鮮丼などのご飯もの。水産加工品(刺身や切身、塩干品など)に加え、揚げ物などの総菜も製造することができるという。日曜日の朝市も継続的に行っていくというが、「10時になったら閉店し、その後はランドロームさんの夏見のお店に買いに行っていただける体制が取れるようになるのはうれしい。日曜だけの朝市ではなく、平日にも買い回りしていただけるのでそちらもご利用ください」と竜也さん。