船橋市の梨農家「大野梨園」でキウイ栽培が最盛期、キウイの追熟とは!?
こんにちは。船橋市場で市場カフェを経営しながら、2階にある編集部の事務所でタウン誌とかインターネットニュースの編集をしているやまけんです。
今回は、地元船橋市で梨農家の取材にお邪魔した際に聞いた小ネタを。
今回取材に行ったのは、大野梨園。
https://goo.gl/maps/cL7rQi5KJiUwpga96
シャインマスカット大粒プレミアム
取材した記事は、超高級品のブドウ「シャインマスカット大粒プレミアム」(8000円税込み)についてでした。記事はコチラ。
記事にもあるように、山梨県や岡山県などの産地に負けない品質のものを作れる。大粒の方が価値が高いとされているのだから「大粒のものがなる房の中でも大粒にものだけを選別した特別なセットを販売してみよう」というのは面白い試みだと感じます。
記事の中には盛り込まなかったのですが、シャインマスカットは生育過程で「これは大粒のものになるぞ」というのは早い段階にわかるそうなのです。
幹と房の間にある枝の太さが明らかに(素人目にみてもわかるほどだという)違うのだそうです。大きい房のなるものでも比較的小さいものでも粒の数は同じだという。大体1房に40~45粒くらいが標準的なのだという。
また、「大粒プレミアム」に相当するサイズのものは大きな粒が実る房の中でも半分程度。大粒の房2つ分から選りすぐりの大きなものだけを集めたものが「大粒プレミアム」として販売されるのだけど、この選別はすべて手作業で行っているのだとか。
大野梨園で1シーズンに栽培するシャインマスカットは、約5000ケース。その内100房に1房の割合で大粒の房が採れるという。その半分くらいが「大粒プレミアム」の対象になる粒。
5000ケース÷100房=50ケース
50ケース÷2ケース=25ケース
つまり、今シーズンに出荷できるシャインマスカット大粒プレミアムは20ケース程度だという事。また、大粒になる房は、シーズンの後半に収穫するそうなので今からが出荷のピークという感じだそうです。
キウイの追熟ってなに?
キウイってお好きですか?船橋市内の梨農家の多くが、キウイフルーツも栽培しているんです。それだけじゃなく、ブドウやほかのフルーツ栽培をしている農家も多くって船橋の梨農家の間では
「梨を美味く作れる農家は他のフルーツもうまく作れる」
という言葉があるんだそうです。
直売所に並んでいるキウイの脇に「追熟」という文字。
やまけん「追熟ってなんですか??」
大野「キウイは収穫したそのままだと皮が固くって、実も酸っぱいんですよ。知っている人は追熟済みのものを購入していかれます。でも、追熟を自分でする方もいらっしゃるんですよ」
やまけん「なぜ、すぐに食べられないのに追熟されていないものを買っていくのでしょう??」
大野「自分で食べごろを設定したい方とか、追熟する工程を楽しみたい方。徐々に熟していくので逆にすぐに食べない場合には日持ちするんですよ」
やまけん「なるほど!そういう効果があるんですね~」
正直、これまでにも市場の取材で「バナナ室」の話を聞いたときに「追熟」の話題が出たので「追熟」自体は知っていた。それまでの取材で梨農家がキウイを栽培していているという話の中で「追熟機」というキーワードが出てきたことがある。
しかし、隣に並んでいるりんごに興味を惹かれて
やまけん「リンゴも栽培されるんですね~」
大野「いえ、それは追熟用なの」
やまけん「え…!?追熟用??」
ここで俄然追熟に興味をもっていかれました。
追熟にはリンゴが必要?なぜ??
知っている人からしたら当たり前かも知れませんが、知らない人間からすると不思議です。
やまけん「何でりんごが追熟に必要なんですか?」
大野「りんごからでるガスが追熟を促進させるのよ」
やまけん「え!?ガス??りんごってヤバくないですか??ガス出すんですか??」
大野「そう、冷蔵庫とかでもりんごの隣に果物とか野菜おかないでしょ?」
やまけん「そういうものなんですか??知らなかったです…」
なんでも、りんごからは「エチレン」という種類のガスが出ているようでこれがキウイの熟成を促進させるのだとか…
色々ネットで調べてみると、追熟させるにはいくつかの方法があるようです。
1.そのまま置いておく。
土間などにそのまま置いておくだけで追熟され食べごろになるんだとか。過剰に湿度が高いと腐敗し、過度に乾燥していると水分がなくなって干からびるんだとか。土間ってすげぇ…
2.りんごと一緒にビニール袋に入れる
りんごからでるエチレンガスがきういを4~5日程度で食べごろにするそうです。りんごにも種類があってこちらで販売している『紅妃(こうひ)』は大野梨園で追熟用に使っているものだとか
3.バナナと一緒に入れて追熟
バナナもりんごのようにエチレンガスを発生するようですが、りんごほどは追熟が進まないそうです。また、りんごだと使いまわしが利くけど、バナナはすぐに黒くなってしまうので使い回せないことから何回か追熟させるんだったらりんごのほうが圧倒的に経済的なのだとか。
やまけん「追熟につかったりんごってアップルパイとかにしないんですか?」
大野「もちろんそういう風に使う農家もあるし、そういうレシピもネットとか見ているとありますよ。うちの場合は何回か使い回しちゃうから食べない事が多いけど…」
やまけん「キウイの追熟ってどうやっているんですか??」
大野「うちの場合は量が多いから梨の開葯機に入れてますよ。2~3日で食べごろになるんです」
やまけん「カイヤク機!?なんですかそれ??」
大野「梨の受粉に使う花粉を採るために使う機械で、梨の花を開花させるために使う機械なの。キウイをたくさん追熟させるのに便利だから使っているのよ。今度追熟させるタイミングで使っているところの写真送ってあげるね」
と、送って頂いたのが以下の写真。
このようにしてキウイを並べて一気に追熟させるんですね!
まさに、梨農家ならではの追熟のさせ方です。
ちなみに、この時期の梨農家では「あきづき」「新興」「かおり」などの今シーズン最後の梨を購入できるほか、シャインマスカットも買えるのは前述のとおり。
さらに、下記のような栗。農家によっては柿なども購入する事が出来ますよ~
店名:大野梨園
住所:千葉県船橋市三咲1-3-1
TEL:047-448-2416
営業時間:9時~18時 ※季節による
定休日:夏季は無休
駐車場:直売所前に多数あり