No.45 地域医療の新しい取り組み「テントカフェ」運営で予防医療を叶える「大多和医院」 白子町

  2023/3/20
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白子町で医療という視点からの地域づくりに取り組んでいらっしゃる方がいると聞き、毎週水曜日に大多和医院敷地内で運営している「テントカフェ」にお邪魔しました。
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出迎えてくれたのは、大多和医院に看護師として勤める傍ら、地域コミュニティの推進を担当している秋貞真弓さん。
私が訪れた午後は、残念ながら強風の為、テントカフェではなく院内でお話を伺いました。
2022年4月に福岡から移住してきた秋貞さんは、まず地域を周り困りごとの発掘に励んだそうです。そんな中、家で誰とも話さず一人で過ごす患者さんがいることを知り、心の健康と、病院に来る楽しみを作るため、テントカフェの運営をスタートさせました。
半年が経った今では、1日に平均して15~20人ほどの患者さんが利用するようになり、取材当日のように、悪天候の為やむなく中止になった際は、がっかりされる方がいらっしゃるほどで、スタッフの方々もテントカフェの運営に手ごたえを感じているそうです。
この日秋貞さんが身に着けていた巻きスカートは、患者さんからのプレゼントだそうで、すっかり地域に溶け込んでいる様子がうかがえました。

病院は楽しむ場所?!

皆さんはどんな時に病院に行きますか?多くの方は「病気になった時に病院に行く」と答えますよね。テントカフェの運営は「病院=病気」というネガティブなアプローチをやめ、楽しみを届けることで、予防医療を実現させようという取り組みのひとつなのです。
取材中、大多和医院の森徳郎院長が愛犬のスプーと一緒に顔を出して下さいました。
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スプーくんは普段、森院長と一緒に診察室にいるんだそう。アレルギーを起こしにくいプードルと盲導犬に向いているというラブラドールの掛け合わせで、おとなしくって賢いわんちゃんです。患者さんにも大人気で、特にご自身で飼う事ができないご高齢の方が喜んでいらっしゃるのだとか。また、お子さんの注射の時などにも、スプーが傍にいることで、怖がらずにできるのだそうです。
スプーの存在もまた、テントカフェ同様、病院を楽しい場所にしてくれていることでしょう。
地域医療として予防医療は重要で、病院に通ってもらう必要がある。その為の仕組みとして、テントカフェがあり、スプーが居て、魅力的なスタッフが居て、パンも買える。病院に行く楽しみを作ることで、予防医療の実現を目指しているんですね。
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これまで、地域コミュニティ推進の一環として「テントカフェ」以外にも、敷地内に地域の子供たちとひまわりの種を植える「ひまわりいっぱいプロジェクト」やサマースクールを行ってきた秋貞さん。
今後は常設のカフェを地域の方と協力して作りたいと、只今コンセプトやスケジュールなど検討中だそうです。

3月25日(土)は「みんなでスポトレ」

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 また今月25日(土)にはアスレチックトレーナーによる遊びを交えたスポーツのイベントを企画しているとのこと。小学生対象で成長期に必要な身体の作り方を楽しく遊びながら学ぶことができるそうです。参加費無料なので、是非春休みの予定のひとつにしてはいかがですか?
 実は先月、地域活性化についてのオンライントークイベントで、大多和医院の森院長、看護師の秋貞さんとご一緒させて頂きました。ひとくちに地域活性化と言っても、実際に他の地域、他の職業の方はどんな取り組みをされているのか?とても興味が湧き、今回の取材へと繋がりました。
地域課題を発掘し、解決方法を見出し、地域をデザインしていく。
そんな地域のデザイナーが、皆さんの住む街にもきっといることでしょう。
これからも大多和医院での地域デザイナーとしての秋貞さんの挑戦に注目していきたいと思います。
取材・ライター 川﨑佐知子
*掲載内容は取材日時点のものです。(取材日 2023・2・8)
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DATA
大多和医院
HP https://otawa.org 
住所 千葉県長生郡白子町南日当851
TEL 0475-33-6111
テントカフェ営業日 水曜日9:00~17:00
もばらって編集部
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