農家と販売店をつなぐ物流システム「やさいバス」に船橋の農家も参入、農家の販路拡大と物流のコスト削減に期待高まる
3/11(土)農家と販売店をつなぐ物流システム「やさいバス」に船橋の農家も参入
農家の販路拡大と物流のコスト削減に期待高まる
農家がネットで注文を受けた野菜を近くの「バス停」(集荷場所)に出荷し、専用のトラックがバス停を回って、集荷しながら販売店に配送をする新しい物流システム「やさいバス」が船橋市内でも始まっている。
同システムを運営するのは静岡県に事業所を構える「やさいバス」(静岡県牧之原市)。千葉県では館山、南房総エリアで最初に運用が始まり、2021年11月に始まった「ランドローム三咲」(三咲)に次いで、昨年10月からは「三須トマト農園」(印内)でもバス停の運用が始まり、現在市内のバス停は2つとなる。
「やさいバス」の苅田光史さんは「物流に問題を抱える農家さん、販売者さんと一緒に共同配送の仕組みで解決を図ることを目的に始まったサービスです」と話す。
同システムでは、販売店が独自のオンラインシステムで登録農家の野菜を直接農家に発注する。農家は近くのバス停に発注された野菜を運び、「バス」と呼ぶトラックがバス停を回りながら販売店に届けているため、販売店は新鮮な野菜をその日のうちに店頭に並べることができるシステムとなる。船橋市内と近隣のバス停を回る便は、現在、週3回運航。配送料は注文した販売店が負担する。
「石井農園」(本郷町)の石井優行さんは「今までは遠くまで自ら配達していた。売れ残ると回収しなければいけなかったのでとても助かる。自分で値段を設定できるのも魅力。今のところデメリットは感じない」と期待を膨らませている。また「これからは気候が暖かい九州や四国の農産物が出回り地元産と競合するが、より新鮮な地元野菜を地域の方にお届けできる」とも。
「三須トマト農園」の三須一生さんも「販路の拡大が期待できる」と話し、今年5月頃から「バス停」の利用を始める「かまくら農園」(印内)の鎌倉優希さんは「出荷量が増える夏野菜の季節に販路が拡大するのを期待している」と話した。
苅田さんは「農家さんからは『自分では開拓できなかった企業への出荷ができた』、販売店さんからは『新鮮な野菜が届き地場コーナーの活性化につながっている』など好評です」と話した。