船橋出身の画家・石居麻耶さんが「絵と言葉のチカラ」展でグランプリ、「20歳のソウル」単行本装画も担当
3/19(日)船橋出身の画家・石居麻耶さんが「絵と言葉のチカラ」展でグランプリ
「20歳のソウル」単行本装画も担当
船橋市出身の画家でもありイラストレーター、アーティストとしても活躍する石居麻耶さんが「第2回 絵と言葉のチカラ」展でグランプリを受賞したことが分かった。
昨年から始まった「絵と言葉のチカラ」展は、2019年に41歳で亡くなった実業家の河合伸子氏の遺志を受け、困難を抱える子どもや家庭に育つ子どもを支援する「NOBUKO基金」の補助事業として開催。人々の心の奥底に響く「絵と言葉のチカラ」を、学生からプロのアーティストまで幅広く募集し、2回目となる今回は327人、425点作品の応募があった。石居さんは前回の第1回では「芸術新潮賞」を受賞、今回は1月31日に結果発表があり、1位の「グランプリ」を受賞した。
石居さんは1978(昭和53)年生まれ、小栗原小学校、葛飾中学校を卒業後、東京藝術大学美術学部デザイン学科に進学、同大学院描画造形研究室を修了。個展やグループ展といった展覧会、本の装画、週刊誌、文芸誌、新聞連載のイラストなど、幅広く活躍している。また、昨年全国上映され話題となった映画「20歳のソウル」の原作となった文庫本の装画を担当したことでも知られている。
子どもの頃から絵を描くことが好きだったという石居さん。「言葉で気持ちを伝えるのが苦手で、絵や色で気持ちを表現する方がすっきりするんです」と話す。
自身のブログで絵と言葉をセットで載せていたところ、知り合いから同展に応募してみてはどうかと話があったという。「公募展は気合が入りすぎてうまくいかないことが多くて苦手なので、ほとんど応募したことがなかったのですが、今回は絵と言葉だったので、自分にもできるかなと思いました」と応募した経緯を話す。「1回目の時は、やはり力が入りすぎて。応募した後すぐに、次の作品への創作意欲が湧いてきて、2回目に向けて準備しました」と振り返る。今回は応募開始日に提出し、受付番号は1番だったという石居さん。
グランプリを受賞した作品は「夢待ちの花」、「春、再び」というタイトルの2点。「桜の季節に思う微妙な気持ちを表現した」と石居さん。
メールで結果発表が送られてきた時、緊張しながら見たというが「これまでメインでやってきたテーマが認められたのがとてもうれしかった」とほほ笑む。石居さんの作品制作のメインテーマは「日々の光と希望の光景」。今回の作品も観光名所の桜ではなく、日常の中にある桜をイメージして書いたという。「風景の中に希望を感じるような絵を描いてきた。今回受賞した作品はこのテーマの集大成」と話した。
今回受賞した作品は、4月12日~18日、松坂屋上野店のアートギャラリーでの「第2回 絵と言葉のチカラ展」で展示される。また、4月24日~30日には大丸東京店の美術画廊で「-Updraft- 新鋭作家5人展」を開催する予定。