「船橋のなし」各農家で交配シーズン迎える、開花時期は昨年より10日遅く
4/14(日)「船橋のなし」各農家で交配シーズン迎える
開花時期は昨年より10日遅く
船橋市の特産品「船橋のなし」の花満開の時期を迎え、市内梨農家では交配作業に追われている。開花時期は、今年は昨年よりも1週間~10日ほど遅い。
毎年手作業による交配(受粉)作業をしている「梨の船芳園」(船橋市二和東2-6-1、TEL047-448-2158)では、4月12日~14日で交配作業のピークを迎えた。
「今年はなかなか気温が上がらなかったので、開花時期は昨年に比べたら10日遅い。つまり、梨の出荷時期も昨年より遅くなる見込み。8月に入ってからが本格的な出荷になるだろう」と園主・加納芳光さんは話す。
さらに、今年は多くの梨農家にとって、例年とは違う対策が迫られているともいう。それは昨年8月に発表された、中国産の花粉の輸入停止に伴い、自前で花粉を採取し来季用に保存するなど、これまでになかった作業が発生している農家も多いのだという。中国産花粉が輸入停止になった理由は、中国で「火傷(かしょう)病」という、梨やリンゴなどの果樹の枝や葉が、火にあぶられたように枯れてしまう病気が中国で発生していることから。
同園・加納さんはこれまでも中国産花粉に頼らず、毎年、自園の花を摘んで花粉を採取し、乾燥させ、交配用に使う花粉の準備をしてきていた。そのため「中国産花粉の輸入停止の影響はうちは受けていない。自園で花粉を取るということは交配時期に休む間もなくなるということ。輸入花粉を使っていた場合は、今までと作業内容が大きく異なる農家もいるはず」と加納さんは気にかける。
花が開いている短い時間で畑で満開になっている梨の花に、一つずつ手で花粉を付けていく交配作業。それが終わると今度は花を摘み、今後のための花粉を採取する準備に回る。「集荷時期もそうですが、交配シーズンも休む暇もなく働かなくては」と明かす加納さん。
「今年の梨の出荷時期が昨年よりも遅くなるということは、それだけ日照時間が長くなるということ。そのほうがおいしい梨になるんです。首を長くして、今年の『船橋のなし』を待っていてくださいね」と加納さんは誇らしげに話す。