高根神明社大祭で伝統の神楽奉納、天狗が先導するみこし行列も
10/24(木)高根神明社大祭で伝統の神楽奉納
天狗が先導するみこし行列も
高根神明社(船橋市高根町600)で10月15日、五穀豊穣と村の安全を祈願する毎年恒例の大祭が行われた。晴天にも恵まれ、町内外から多くの参拝客が訪れた。
残されている資料によると江戸時代から約200年以上続いているとされ、船橋市無形民俗文化財にも指定されている同祭。神楽は1873(明治6)年に初めて奉納され、今年で151年目を迎えた。
高根町神明社神楽連に所属し、長年にわたり高根小学校で神楽の指導をしている持井大輔さんは「自分が子どものころは、この日だけは遅くまで外出しても怒られなかった。わくわくするこの大祭を次世代にも残していきたい」と話す。
神事の後、16時ごろから地元消防団の消防自動車が先導し、一枚歯の高下駄を履いた天狗の姿をした神楽連がみこし行列の先頭を歩いた。太鼓、みこし、山車が町内を練り歩き、多くの参拝者の目を引いた。
神楽では、天狗の正体は猿田彦命という神で、道案内役として登場する。同祭で演じられた「猿田彦命舞(さるたひこのみことまい)」では、天狗が辻々を清め、庶民の安全を祈願する舞を披露した。
「みこしは5~6年前から担ぎ手が不足しており、現在は軽トラックで運んでいる」と話すのは、この日運転手を務めた氏子の仲村学さん。ひょっとこに扮(ふん)した人と神楽連が乗る山車も同様にトラックに乗せられたが、昔の名残で山車には太い綱を付け、町内の子どもたちが引く形で行列に加わった。高根駐在所前では、ひょっとこと神楽連が餅や菓子をまき、山車を引いた子どもたちから歓声が上がった。
18時からは境内の神楽殿で神楽が演じられ、老若男女が荘厳な舞台を鑑賞した。船橋市内では高根神明社でしか見ることができない「大蛇之舞(おろちのまい)」と「日本武尊舞(やまとたけるのみことまい)」も演じられた。
神楽を鑑賞した高根小3年の女児は「学校で『天狐の舞』を習っている。神楽は楽しい」と話した。中学生の兄は「今でも踊れる」と即興で踊って見せた。