海神公民館で防災講座「今からできる!在宅避難のススメ」、自助と共助・男女共同参画の視点からの防災を
7/16(金)海神公民館で防災講座「今からできる!在宅避難のススメ」開催
自助と共助・男女共同参画の視点からの防災を
海神公民館(船橋市海神6-3-36)で7月15日、「今からできる!在宅避難のススメ」の講座が開催された。
同講座は船橋市市民協働課男女共同参画係の主催事業で、船橋SLネットワークの笠木明さんと理事の平山優子さんが講師を務めた。船橋SLネットワークは、災害救援ボランティア講座を履修し認定されたセーフティリーダー(SL)により、船橋・鎌ヶ谷・習志野などで活動する団体。町会、社会福祉協議会、公民館事業等に出向き、災害救援ボランティア、防災訓練、救命救急、避難所運営といった講座を実施している。
近年、地震、洪水、土砂災害といった大規模な自然災害が頻発している。新型コロナウイルスの影響で避難所での収容定員が減少しているうえ、長期化する自宅外生活は精神的ストレスと身体的な疲労が大きいことから、「在宅避難」への関心が高まってきているという。
「避難行動とは、避難所に行くことと必ずしもイコールではなく命を守る行動を取ること」と笠木さんは話す。家屋の被害状況を見極めた上で、「在宅避難」か「避難所生活」かを判断することが大切だとも。
在宅避難のための最低限の備えとして、1週間分の食料、3日分の飲料水、簡易トイレが紹介された。特に重要なのが簡易トイレの備えだという。食事は我慢できても、人は排泄を我慢することはできないからである。
下水管の破損により、震災時はトイレの水を流すことができないことを踏まえて、トイレットペーパーの備蓄だけでなく、家族のトイレ回数分のレジ袋と凝固剤が必要になるという。同講座では、凝固剤の使い方が実践され、実際に固まる様子も見られた。
「在宅避難は、各家庭の備え『自助』だけでなく、地域の防災組織体制といった『共助』も大切です」と平山さん。地域の自主防災体制が整っていると、減災できるだけでなく、行政がいち早く復興に取り組むことができるという。
さらに平山さんは災害の影響について、阪神淡路大震災や東日本大震災でのデータから、飲酒量は男性がのほうが増え、睡眠障害は女性が多かったことなどをデータと共に伝え、男性と女性では影響が異なること、また災害時の支援ニーズが女性は生理用品や、粉ミルク、小児用おむつなどの育児用品が多かったなど、男性と女性で違いがあったことを話した。
そして、災害時に女性と男性の困難を軽減するには、これまで男性中心だった意思決定の場や現場に女性が参画すること、男女共同参画部局と連携すること、女性リーダーの育成や男性の理解促進の重要性を話した。防災の計画段階から女性が参画することで、平日の昼間の災害時に、被災者や被害の現状把握ができ対応しやすいため、女性を含めた自主防災組織を作り、日頃から「共助」の体制を築いておくことが減災・復興のカギになるという。
平山さんは「防災は一人ではできない。地域の復興には、地域の協力が必要。防災の仕組みを作ることが大切。自助・共助ができれば、大規模災害時に行政が復興に力を入れやすくなる」と話す。
今回の講座の参加者は16人。本町在住の女性は「目から鱗の内容に驚いた。もう一度しっかり考えて準備をしていきたい」と話し、海神在住の70代女性は「在宅避難について改めて安心安全が確認できた。同時に日頃の備えとして優先順位がよくわかった。各自治会の防災部で講座を開催してもらいたい」と感想と同時に今後の展開も希望した。また、市内在住の20代男性は、「災害時に障がいのある方や、女性への配慮の必要性を改めて再確認できた」と感想を話した。
「第11回船橋市(千葉第54期)災害救援ボランティア講座」が2021年8月28日・29日に船橋市役所11階大会議室で開催される予定。応募資格は、災害時救援ボランティアに必要な基礎的知識・技能を身に付けたい人で、原則2日間受講できる人。講座費用は一人1万5,000円、学生1万円。船橋市民を対象とした補助制度がある。詳しい補助制度は、船橋市役所危機管理課(TEL 047-436-2033)で確認できる。
詳細はホームページからhttps://slfunabashi55.jimdo.com/