船橋の経営者友野さんが出版記念講演会 居住支援の現場リアルを語る

  2025/11/16
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11/16(土)船橋の経営者友野さんが出版記念講演会 

居住支援の現場リアルを語る 

 船橋に本社を構える居住支援法人「あんど」代表の友野剛行さんが千葉市美術館(千葉市中央区中央3-10-8)11階のイベントスペースで11月15日に行われた、出版記念講演会に登壇した。

 著書『居住支援実践マニュアル—この本をたたんだら誰かに会いに行きましょう—』(ぶどう社)の発刊を記念して行われたもので、約100名が参加した。

 友野さんは、障がい者・高齢者・ひきこもり経験者らの住まいや生活支援に20年以上取り組んできた。

 講演冒頭、2040年に高齢者や障害者など「支援を必要とする人」が国民の過半数を超える見通しを示し、「もはや支える側・支えられる側という二項対立では社会が持たない」と日本中で直面する課題について話した。

 その上で「“ごちゃまぜ”の社会を当たり前にしないと、この国はもたない」と話し、年齢や属性を問わず共に生きる社会づくりを提唱。

 実際の支援事例として、引きこもりや暴力傾向のある若者が、仕事と筋トレを通じて自立を果たしたケースや、重度障がいを持つ娘と余命宣告を受けた母親の壮絶な最期の物語などを紹介した。

 講演の終わりには、指静脈認証を使ったスマートキーの活用や、プリペイド型「カエルカード」による金銭管理支援サービスなど、現場課題から生まれたサービスや商品の紹介も。

 「支援は“施すもの”ではなく、信頼と対等な関係からしか始まらない」と強調。支援対象者本人の言葉から『わたしのことを、わたし抜きできめないで!』と引用、当事者と支援者の関係性について考えることを呼びかけた。

 また、これまでの支援の歴史では、事業者の生活が成り立たず担い手の不足や育成が困難だった点などにもふれている。

 支援の持続性について「ボランティアだけでは限界がある。支援を必要とする人と同時に、不動産オーナーや家賃保証会社も困っている。両者の課題をつなげることで、事業として成立させる道がある」と経験から編み出した手法についても話した。

 同会場では同時に、障害の有無に関係なく誰もが楽しめる「ごちゃまぜフェス@千葉」も開催され、参加者らはミニマルシェやアート作品展示などを通じて交流を深めた。

「居住支援は、困っている人を助けることではなく、共に生きる未来を模索すること。支援者である私たちが、何を学び、どうつながるかが問われている」と友野さん。

  • 当事者、業界関係者などが集まった

  • 先着100人限定の会場で講演

  • 関係者によるミニマルシェも

  • 現場での支援実例とともに「居住支援」について紹介

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