「知っておくべき災害医療」をテーマとした救急医療シンポジウム、心肺蘇生法体験などの救急フェアも

  2023/9/2
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以下は 1 年前に書かれた内容です

9/2(土)「知っておくべき災害医療」をテーマとした救急医療シンポジウム

心肺蘇生法体験などの救急フェアも

 船橋市勤労市民センター(船橋市本町4-19-6)で9月2日、船橋市救急医療シンポジウム実行委員会による「第32回市民とともに考える救急医療シンポジウム」が開催され、約300人の市民が参加した。

 同イベントの主催は、船橋市救急医療シンポジウム実行委員会。大会会長は松戸徹市長、委員長は船橋市医師会会長の寺田俊昌さん。総合司会の船橋市自治会連合協議会会長の早川淑男さんは「平成元年からスタートした同シンポジウムは、市民に対して市の救急医療体制の紹介をテーマに沿って紹介している。今回は4年ぶりに開催できてうれしい」とあいさつした。

 今回のテーマは「知っておくべき災害医療」。松戸徹市長は「災害医療について、このシンポジウムを通して理解してほしい。今回参加した皆さんが、今日の話を家族や友人らにぜひ伝えてほしい」と話し、寺田さんも「災害時の医療は通常と違うので、皆さんの協力が必要。今日来てない人にも広く知ってほしいので、皆さんが伝えてください」と呼びかけた。

 シンポジウムの部では土居良康さん(船橋市医師会副会長)、高木康博さん(同・救急医療担当理事)が司会、救急救命士の黒川進之助さん(船橋市消防局救急課救急第二係)、佐藤やよいさん(船橋市立医療センター外科副部長、統括DMAT、都道府県災害医療コーディネーター)、梶原崇弘さん(船橋市医師会二次救急・災害担当理事)がシンポジストとして発表した。

 黒川さんは通常時と災害時の救急活動の違いを説明し、「災害時の救急活動について知ってもらい、平時からの備えなどを考えるきかっけになるとうれしい」と話した。

 佐藤さんは「災害の時には一度に多数の傷病者がでるので、一人でも多くの命を助けるためには緊急度や重症度に応じて優先順位を決めるトリアージが重要」と話し、災害拠点病院と診療支援チームのDMATの活動の紹介も。「船橋市は人口が多く、住宅も密集して渋滞もあるので、医療者だけでなく市民の皆さんにも協力してほしい」と話した。

 梶原さんは発災時の船橋市医療体制を紹介し、市内で震度6弱以上または必要性が認められた場合には、直ちに二次救急病院(災害医療協力病院)前に「病院前医療救護所」が設置されると説明した。同所は市内に9カ所あり、船橋市医師会、船橋歯科医師会、船橋薬剤師会、千葉県柔道整復師会船橋・鎌ヶ谷支部の4師会と行政、保健所の協力体制が整っており、他市から見学に来ることもあるという。

 「発災時の船橋市の医療体制を理解していただき、自助・互助・共助の意識をもって災害に備えてほしい」と話した。

 基調講演の部では蘇我孟群さん(船橋市立医療センター救急科部長)が座長をつとめ、嶋村文彦さん(千葉県救急医療センター副病院長、千葉県健康福祉部技監、千葉県災害医療コーディネーター、統括DMAT)が講師として「災害時の医療体制について」をテーマに講演した。

 「一人でも多くの人を助けるためには訓練・育成が必要。災害医療に必要なことは、トリアージを行い優先順位や搬送先を決めたり、必要な物資の備蓄、搬送手段を確保、自衛隊などとの連携、専門人材の育成などが必要」と説明し、「市民の皆さんはハザードマップや警報や注意報などを注視することも必要」とも。

 また11月1日に千葉市美浜区に開院する千葉県全域を対象とする第三次救急医療施設の「千葉県総合救急災害医療センター」についても紹介した。

 同日は会場前などで「救急フェア」も開催され、心肺蘇生法体験コーナーや船橋市の救急医療体制についてパネル展示も行われたほか、非常用の備蓄用パンと「イシイ食品」(本社:船橋市本町)の常温保存食料品が配られた。

 心肺蘇生法体験をしていた40代女性は「子どもや赤ちゃんの模型でも体験ができたので貴重でした。知っておくことは大事だと感じました」と話した。

  • 開会のあいさつをする松戸徹市長

  • 嶋村文彦さんの基調講演

  • 「救急フェア」の様子

  • 多くの人が心肺蘇生法を体験

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