中央公民館で健康づくり公開講座「NEW START!時間栄養学」 和洋女子大学・多賀昌樹準教授を講師に
11/25(土)中央公民館で健康づくり公開講座「NEW START!時間栄養学」
和洋女子大学・多賀昌樹準教授を講師に
市民が健康の維持・増進に役立つ知識や技術を学び、自らの生活習慣を見直すきっかけを提供する目的で「第17回健康づくり公開講座」が11月25日、船橋市中央公民館(船橋市本町2-2-5)6階講堂で行われた。
船橋市健康づくり課が主催。和洋女子大学家政学部健康栄養学科准教授の多賀昌樹さんが講師を務め公開講座「NEW START!時間栄養学」を開催。100人近くの参加者が集まった。
「時間栄養学」とは人間の体内にある時計遺伝子のリズムを考慮した食事・栄養のことで「クロノニュートリション」と呼ぶこともあるという。
1日の食事回数、食事中のたんぱく質・脂質・炭水化物の割合や1日における3食の食事量を考慮し食事をとることで疾病予防、健康寿命の延伸を目指すという考え方だ。
人間には様々なリズムがあり心臓は1秒ごと、女性の月経は1か月ごと、睡眠は90分ごとにリズムを刻む。1日は24時間だがサーカディアンリズムという人間の身体が持つ1日のリズムは約25時間で刻んでいるという。
この差分をリセットをする方法が「太陽の光」だというが、コロナ禍のテレワークやテレビ・スマホ視聴などで夜型になり生活リズムが乱れている事、現代人は総じて平日の睡眠時間が短く、週末は朝遅く起きるなどの原因からこの「社会的時差ボケ」と呼ばれるリズムの乱れが生じているという。これが原因になり健康状態に影響を及ぼしたり疲労しやすくなっていることとも関係が深いことがわかっているという。
また、人間は1日に必要なエネルギーの約50パーセントを炭水化物から摂取する。脳は1日に約150グラムのグルコースを使うが体内に蓄積できるグルコースは60グラム程度であることから、3度に分けて食事をとる必要があるとして朝食の大切さを強調した。
また、食事摂取のタイミングについて糖尿病患者の食事を例に挙げ、同じカロリー量を摂取しても朝ごはんに多くのカロリーを配分する方が、糖尿病の診断で使用される「HbAIc」値が減少するという研究結果を紹介した。さらに1日に1回だけの食事では血糖値上昇が急激に起こることも挙げ朝食の大切さについて話した。
同じ食材を食べるときでも調理方法により老化を進める物質「終末糖化産物(AGEs)」が大量に作られることにもふれ、から揚げの再加熱や肉の調理などを例に挙げ高温調理が健康に影響を及ぼす要因を高める点についても紹介。
むすびに、食後高血糖を抑える野菜から食べる「ベジファースト」や海藻を薦める「海藻ファースト」やポリフェノールを多く含む野菜の摂取、高温で調理された料理を控えること。
果糖を多く含む飲料を控えること、肉よりもアジやサンマ・イワシなどの青魚を多く取ることなどが多くの疾患の原因とされている「炎症反応」を抑制する作用があると紹介。旧来から日本人が食してきた朝食がまさに「健康食」であったのかも知れないと話した。
同講座は船橋市と医師会で推奨する「ふなばし健康ポイント」事業とも連携、講座の受講が健康ポイントの獲得にもつながる仕組みをとり、市民の健康増進に関する知識向上に活用している。